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【プロ監修】香典の書き方完全ガイド|表書き・中袋・金額の漢字も見本で解決

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突然の訃報に接し、深い悲しみの中で準備を進めなければならない香典。いざ筆を執ろうとしたとき、「表書きは御霊前で良いのだろうか」「中袋の金額はどの漢字を使うべきか」と、迷ってしまうことは決して珍しいことではありません。

香典の書き方には、故人への哀悼の意を表すための伝統的なマナーが存在します。しかし、宗派や地域、時期によって細かなルールが異なるため、自信を持って書き上げられる人は意外と少ないものです。

結論から申し上げますと、香典の表書きは、四十九日の法要前なら「御霊前」、それ以降は「御仏前」とするのが仏式の基本です。ただし、相手の宗派が不明な場合や、浄土真宗のように教義が異なる場合は注意が必要です。また、筆記具は「薄墨」の筆ペンを使用し、中袋には金額(大字と呼ばれる旧字体推奨)と住所・氏名を明確に記載することが、遺族への配慮となります。

この記事では、年間数千件の葬儀に携わってきた1級葬祭ディレクターである私が、以下の3つのポイントを中心に、香典の書き方を徹底的に解説します。

  • 【図解・早見表あり】宗派別・香典の表書きの正しい使い分けと判断基準
  • スマホで見ながら書ける「漢数字(大字)」リストと中袋の記入見本
  • 受付で感謝される、読みやすさとマナーを兼ね備えた「配慮ある書き方」

マナー違反を恐れて不安になる必要はありません。この記事を読み進めながらペンを動かせば、誰でも失礼のない、心のこもった香典袋を完成させることができます。ぜひ、最後までお付き合いください。

  1. 【早見表あり】香典の表書き(外袋)の書き方と宗派別の選び方
    1. まず確認!相手の宗教・宗派による表書きの違い
    2. 仏式(仏教)の場合:「御霊前」と「御仏前」の使い分けルール
    3. 神式(神道)・キリスト教式の場合の注意点
    4. 名前(氏名)の書き方:フルネームとバランスのコツ
  2. 中袋(中包み)の書き方と金額の漢数字(大字)リスト
    1. 金額の書き方:必ず使うべき「大字(旧字体)」一覧
    2. 中袋の「表面」と「裏面」への正しい記入位置
    3. 中袋がない封筒(一重の封筒)の場合の書き方
    4. 住所・氏名は読みやすさ重視!郵便番号は横書きでもOK?
  3. 筆ペン・インクのマナーと選び方
    1. なぜ「薄墨(うすずみ)」を使うのか?その意味と使用期間
    2. 薄墨がない!普通の黒い筆ペンやサインペンは代用NG?
    3. 中袋はボールペンで書いても良い?プロの見解
  4. 会社関係・連名の香典の書き方ケーススタディ
    1. 夫婦で参列する場合の連名の書き方
    2. 会社名義・部署一同で出す場合の書き方と並び順
    3. 3名以上の連名の場合:別紙(明細)の用意の仕方
  5. お金の入れ方と包み方の最終マナー
    1. お札の向きは「顔を伏せる」?新札は使っていいの?
    2. 香典袋の包み方(袱紗・ふくさ)の手順と渡し方
  6. 香典の書き方に関するよくある質問(FAQ)
    1. Q. 金額は横書き(アラビア数字)で書いても失礼ではない?
    2. Q. 印刷された香典袋を使ってもマナー違反にならない?
    3. Q. 49日法要と葬儀で書き方はどう変わる?
  7. まとめ:正しい書き方は故人と遺族への思いやり

【早見表あり】香典の表書き(外袋)の書き方と宗派別の選び方

香典袋(不祝儀袋)の表書きは、故人や遺族が信仰する宗教・宗派によって異なります。これは単なる形式ではなく、それぞれの宗教が持つ「死生観」を尊重するための大切なマナーです。しかし、訃報を受けた直後に相手の宗派を正確に把握することは難しい場合も多いでしょう。

ここでは、最も緊急性が高い「表書きの選び方」について、一目で判断できる早見表とともに解説します。間違った表書きを選んでしまうと、相手の信仰を否定することにもなりかねませんので、まずはここをしっかり確認してください。

まず確認!相手の宗教・宗派による表書きの違い

香典の表書きで最も迷うのが、「御霊前」と書くべきか、「御仏前」と書くべきか、あるいはそれ以外かという点です。以下の早見表を参考に、相手の状況に合わせて適切な言葉を選んでください。

▼クリックして開く:【宗派別】香典の表書き早見表
宗教・宗派 表書き(上段) 特徴・注意点
仏教全般
(浄土真宗以外)
御霊前
(ごれいぜん)
四十九日法要までは「御霊前」。それ以降は「御仏前」となります。
浄土真宗 御仏前
(ごぶつぜん)
亡くなってすぐ仏様になる教義のため、通夜・葬儀から「御仏前」を使います。「御霊前」は使いません。
神道
(神式)
御玉串料
(おたまぐしりょう)
御榊料
(おさかきりょう)
「御霊前」も使用可能です。蓮の花が描かれた袋は仏教用なので避けます。
キリスト教
(カトリック)
御花料
(おはなりょう)
御ミサ料
「御霊前」も許容されます。百合の花や十字架が描かれた封筒が適しています。
キリスト教
(プロテスタント)
御花料
(おはなりょう)
忌慰料
(きいりょう)
「御霊前」は使いません。プロテスタントでは霊の存在に対する考え方が異なるためです。
宗派不明 御霊前
または
御香典
仏式であれば「御霊前」が無難ですが、浄土真宗の可能性も考慮すると「御香典」が最も広範囲に対応できます。

1級葬祭ディレクターのアドバイス
「訃報を受けた直後で、相手の宗派を確認する術がないというケースは非常に多いものです。一般的には『御霊前』が無難とされていますが、もし相手が浄土真宗であった場合、厳密には教義に反することになります。特に北陸地方など浄土真宗の門徒が多い地域では注意が必要です。そうしたリスクを完全に避けたい場合、私は『御香典』と書くことをお勧めしています。『御香典』であれば、仏教のどの宗派であっても失礼にはあたりません。」

仏式(仏教)の場合:「御霊前」と「御仏前」の使い分けルール

日本の葬儀の9割以上は仏式で行われますが、ここで最も重要なのが「四十九日」を境にした書き分けです。仏教(浄土真宗を除く)では、人が亡くなると49日間は「霊」としてこの世とあの世の間を旅し、四十九日の審判を経て成仏し「仏」になると考えられています。

そのため、通夜、告別式、および四十九日法要までは、霊に対して供えるという意味で「御霊前」を使用します。四十九日法要を終えた後の法事(一周忌、三回忌など)では、故人はすでに仏様になっているため「御仏前(御佛前)」と書きます。

ただし、前述の通り「浄土真宗」だけは例外です。浄土真宗では「霊」という概念がなく、亡くなった瞬間に阿弥陀如来の力によって極楽浄土に往生し、仏になると教えられています(即得往生)。そのため、通夜や葬儀の段階から「霊」ではなく「仏」として扱うため、最初から「御仏前」を使用するのが正解です。「御霊前」の袋を持っていくと、マナーに厳しいご遺族や親族からは違和感を持たれる可能性があるため注意しましょう。

神式(神道)・キリスト教式の場合の注意点

仏教以外の葬儀に参列する場合、表書きだけでなく「香典袋の種類」にも気を配る必要があります。

神式(神道)の場合
神道では、故人は家の守り神になると考えられています。香典にあたるものは「玉串(たまぐし)」の代わりとして供えるため、表書きは「御玉串料」「御榊料」が一般的です。袋は、水引が双銀(銀色のみ)や双白のものを選び、蓮の花の絵柄が入ったものは仏教用ですので避けてください。無地のシンプルな袋が適しています。

キリスト教式の場合
キリスト教では、香典はお花代としての意味合いが強いため、カトリック・プロテスタント共通で使える「御花料」が最も無難で確実です。市販されている十字架や百合の花が描かれた封筒、あるいは白無地の封筒を使用します。水引は本来不要ですが、日本独自の慣習として双銀の水引がついた袋を使うことも許容されています。

名前(氏名)の書き方:フルネームとバランスのコツ

表書きの下段、水引の下側には、贈り主(あなた)の名前を書きます。ここでのポイントは、誰からの香典かが一目でわかるように書くことです。

  • 個人で出す場合:
    水引の結び目の中央真下に、表書き(御霊前など)よりもやや小さめの文字でフルネームを書きます。名字だけでは同姓の参列者がいた場合に区別がつかなくなるため、必ずフルネームで記載しましょう。
  • 肩書きを入れる場合:
    会社関係などで肩書きが必要な場合は、名前の右側に小さく添えます。例えば「株式会社〇〇 営業部」などと記載します。これにより、遺族が後で整理する際に、故人との関係性を把握しやすくなります。

バランスよく書くコツは、まず全体の中心線を意識することです。水引の結び目を中心として、上段の「御霊前」などの文字と、下段の名前の重心が一直線に並ぶように意識すると、美しく整って見えます。

中袋(中包み)の書き方と金額の漢数字(大字)リスト

外袋(表書き)がきれいに書けても、中袋(お金を入れる封筒)の書き方が雑であっては、マナーとして不十分です。中袋は、遺族が後で香典を集計し、お返し(香典返し)の準備をするための「事務的な重要書類」の役割を果たします。

ここでは、書き慣れない旧字体(大字)の書き方と、受付係や遺族に感謝される中袋の書き方を解説します。特に金額の漢字は間違いやすいため、以下のリストをスマホで見ながら慎重に記入してください。

金額の書き方:必ず使うべき「大字(旧字体)」一覧

香典の金額を記入する際、普段使っている漢数字(一、二、三)ではなく、画数の多い「大字(だいじ)」と呼ばれる旧字体を使うのが正式なマナーです。これは、後から数字を書き足して金額を改ざんすること(例:「一」に線を足して「十」にするなど)を防ぐために用いられてきた歴史があります。

現在では、横書きの記入欄がある市販の香典袋ではアラビア数字(1、2、3)の使用も許容されていますが、縦書きの白い中袋であれば、大字を使うのが最も丁寧です。

▼これを見れば間違いない!漢数字(大字)変換リスト
通常の数字 大字(旧字体) 使用例(金額)
金 壱萬圓
金 弐萬圓
金 参萬圓
金 伍萬圓
金 壱拾萬圓
(または仟) あまり使われませんが知識として。通常は「千」でも可。
金 壱萬圓
「円」でも可ですが「圓」が正式。

1級葬祭ディレクターのアドバイス
「よく『金壱萬圓也』というように、最後に『也(なり)』をつけるべきか質問を受けます。本来、『也』は10万円を超えるような高額な金額や、端数がないことを示すために付けられていたものです。現在の一般的な香典の相場(3千円〜3万円程度)であれば、付けても付けなくてもマナー違反ではありません。ただ、文字の収まりが良く、締まりが出るため、私は付けることをお勧めしています。もちろん『金壱萬圓』で止めても全く問題ありません。」

中袋の「表面」と「裏面」への正しい記入位置

中袋には、表と裏で書くべき内容が決まっています。ここを間違えると、受付係が金額を確認する際に手間取ってしまいます。

  • 中袋の表面:
    中央に縦書きで、大きく金額を記入します。先ほどのリストを参考に、「金 壱萬圓 也」のように書きます。文字間を適度に空け、中央に堂々と書くのがポイントです。
  • 中袋の裏面:
    左側のスペースに、あなたの「郵便番号」「住所」「氏名」を記入します。市販の中袋には、あらかじめ記入欄が印刷されているものも多いので、その枠に従って記入してください。

特に重要なのが住所です。達筆すぎて読めない、あるいは省略しすぎて番地がわからないといったケースが後を絶ちません。遺族は葬儀後、この住所を見て香典返しを送ります。もし住所が不明確だと、遺族に「住所を調べる」という余計な負担をかけてしまうことになります。

中袋がない封筒(一重の封筒)の場合の書き方

地域によっては、あるいは簡易的な香典袋の場合、中袋がついていない「一重(いちじゅう)の封筒」を使うことがあります。また、「不幸が重なる」ことを避けるという意味で、あえて二重封筒(中袋あり)を避ける地域もあります。

中袋がない場合は、外袋(香典袋そのもの)の裏面に必要事項を記入します。
裏面の左下に、住所と金額を並べて書くのが一般的です。金額は「金 壱萬圓」と縦書きし、その横に住所と氏名を記載します。書くスペースが限られているため、文字の大きさを調整し、はみ出さないように注意しましょう。

住所・氏名は読みやすさ重視!郵便番号は横書きでもOK?

中袋の裏書きにおいて、最も優先すべきは「正確に伝わること」です。筆ペンでの縦書きに慣れていないと、郵便番号や番地の数字(一二三ー四五 など)が非常に読みづらくなることがあります。

この場合、郵便番号の枠が横書き用に用意されているなら、無理に漢数字にせず、アラビア数字(1、2、3)で横書きしても構いません。番地についても、縦書きの中で「1-2-3」のように算用数字を使っても、読みやすさを優先した結果であれば、マナー違反として咎められることは現代ではほとんどありません。

1級葬祭ディレクターのアドバイス
「現場で受付を担当する方々や、後日集計をするご遺族の本音を代弁しますと、『達筆すぎる崩し字よりも、丁寧な楷書のボールペン字の方が100倍ありがたい』というのが真実です。もちろん表書きは筆ペンが基本ですが、中袋に関しては事務的な情報源ですので、筆ペンで文字が潰れてしまうくらいなら、黒のサインペンやボールペンを使って、はっきりと読みやすく書く方が、結果として相手への思いやりになります。後日の香典返しで住所不明になり、配送不能で戻ってきてしまうトラブルを防ぐためにも、中袋は視認性最優先で書いてください。」

筆ペン・インクのマナーと選び方

香典を書く際に使う「筆」にも、悲しみを表現するための大切な意味が込められています。コンビニや文具店で筆ペンを選ぶ際、黒いインクなら何でも良いというわけではありません。ここでは、恥をかかないための筆記具選びについて解説します。

なぜ「薄墨(うすずみ)」を使うのか?その意味と使用期間

香典の表書きには、通常の濃い黒色ではなく、薄いグレーがかった「薄墨」の筆ペンを使用するのが正式なマナーです。

これには、以下の2つの意味が込められています。

  • 「悲しみの涙で墨が薄まってしまった」
  • 「突然のことで墨を磨る時間もなく、急いで駆けつけた」

つまり、薄墨を使うこと自体が「故人を悼む深い悲しみ」の表現となるのです。
使用期間としては、通夜・告別式までは「薄墨」を使用します。一方、四十九日法要以降は、忌明けとなり、あらかじめ予定された法事であるため、通常の「濃い墨(黒)」を使用します。この切り替えのタイミングを間違えないようにしましょう。

薄墨がない!普通の黒い筆ペンやサインペンは代用NG?

急な訃報で、手元に薄墨の筆ペンがない場合もあるでしょう。コンビニに駆け込んでも売り切れていることがあるかもしれません。

基本的には薄墨を用意すべきですが、どうしても手に入らない場合は、通常の黒い筆ペンで書いても、絶対に許されないマナー違反とまでは言えません。特に、遠方から郵送する場合や、亡くなってから日数が経って知った場合などは、濃い墨でも許容される傾向にあります。

ただし、サインペンやマジック、ボールペンで表書きを書くことは避けてください。これらは事務用品としての印象が強く、儀礼的な場にはふさわしくありません。最低でも「筆ペン(毛筆タイプまたは軟筆タイプ)」を使用することが、大人としての最低限の礼儀です。

中袋はボールペンで書いても良い?プロの見解

表書きは筆ペンが必須ですが、中袋(中包み)についてはどうでしょうか。先ほどの専門家アドバイスでも触れましたが、中袋の記入にはボールペンや万年筆を使用しても問題ありません。

中袋の紙質によっては、筆ペンのインクが滲みやすく、文字が判読不能になることがあります。また、小さな欄に筆で住所を書くのは高度な技術を要します。中袋はあくまで「遺族が後で確認するためのメモ」としての機能が強いため、黒のボールペンやサインペンで、はっきりと丁寧に書くことが推奨されます。ただし、色は必ず「黒」を選び、消せるボールペンなどは避けましょう。

1級葬祭ディレクターのアドバイス
「外袋(表書き)は『儀礼』、中袋は『事務』と割り切って考えて良いでしょう。外袋は悲しみを表す薄墨が必須ですが、中袋は濃い墨やボールペンでも許容される傾向にあります。特に高齢のご遺族が確認する場合、薄墨で書かれた細い文字は非常に読みづらいものです。相手が読むときのことを想像し、中袋は『濃く、はっきり』を心がけてください。」

会社関係・連名の香典の書き方ケーススタディ

香典は個人で出す場合だけでなく、夫婦連名や、会社の部署一同として出すケースも多々あります。ここでは、ビジネスパーソンが直面しやすい連名の書き方について、具体的なパターン別に解説します。

夫婦で参列する場合の連名の書き方

夫婦で葬儀に参列する場合、基本的には「世帯主(夫)」の名前のみを書きます。妻の名前を併記する必要は通常ありません。

ただし、以下のようなケースでは連名にします。

  • 夫婦ともに故人と親交が深かった場合
  • 妻側の親族の葬儀で、夫が喪主ではない場合

連名にする場合は、水引の中央に夫のフルネームを書き、その左側に妻の名前(名のみ)を高さ(位置)を揃えて書きます。バランスよく中央に配置しましょう。

会社名義・部署一同で出す場合の書き方と並び順

会社関係で香典を出す場合、代表者名で出すか、部署一同で出すかで書き方が変わります。

  • 社長名や代表者名で出す場合:
    中央に代表者のフルネームを書き、その右側に少し小さく会社名を記載します。もし肩書きがある場合は、名前の上に小さく、または名前の右側に会社名と共に記載します。
  • 部署一同(3名まで)の場合:
    目上の人(部長など)を一番右(中央)に書き、順に左へ名前を連ねます。この際、全員のフルネームを書きます。
  • 部署一同(4名以上)の場合:
    表書きに全員の名前を書くと窮屈になり、見た目も美しくありません。この場合は、表書きの中央に「〇〇部一同」「株式会社〇〇 有志一同」と書き、その右側に会社名を添えます。そして、全員の氏名と個別の金額を書いた「別紙」を中袋に入れます。

3名以上の連名の場合:別紙(明細)の用意の仕方

4名以上で香典を包む場合、中袋の中に「別紙」を入れるのがマナーです。これがないと、遺族は「誰がいくら出したのか」が分からず、香典返しの際に困ってしまいます。

別紙の書き方テンプレート:

  1. 白い便箋やコピー用紙を用意します。
  2. 紙の上部中央に「香典帳」または「明細」と書きます。
  3. 右側から順に、職位の高い人の氏名、住所、金額を縦書きで記入します。順位がない場合は五十音順でも構いません。
  4. 合計金額を最後に記載します。

この別紙を折りたたみ、お札と一緒に中袋に入れます。こうすることで、受付での記帳もスムーズになり、遺族の負担を大幅に減らすことができます。

お金の入れ方と包み方の最終マナー

表書きと中袋の記入が終わったら、最後にお金を入れ、袱紗(ふくさ)で包んで準備完了です。ここでも「悲しみ」を表現するための独特の作法があります。

お札の向きは「顔を伏せる」?新札は使っていいの?

香典にお金を入れる際、お札の向きには厳格なルールがあります。

  • お札の向き(裏表):
    お札の肖像画(顔)が描かれている面を「裏」に向けて入れます。中袋を開けたときに、お札の裏面が見えるようにします。
  • お札の向き(上下):
    肖像画が「下」に来るように入れます。これには「悲しみで顔を伏せる」「涙で顔を上げられない」という意味が込められています。(※地域によっては逆の風習もありますが、一般的には顔を伏せて下向きにします)

新札の使用について:
かつては「あらかじめ死を予期して用意していた」と捉えられるため、新札(ピン札)を使うのはマナー違反とされていました。しかし現在では、あまりに汚れたお札を入れるのも失礼にあたるため、新札を使うことも増えています。
もし手元に新札しかない場合は、一度お札の中央に折り目をつけてから包むのがマナーです。これにより「急いで用意した」という意味を持たせることができます。

香典袋の包み方(袱紗・ふくさ)の手順と渡し方

香典袋をそのままスーツのポケットやバッグに入れて持ち歩くのはマナー違反です。水引が崩れたり、袋が汚れたりするのを防ぐため、必ず「袱紗(ふくさ)」に包んで持参しましょう。

弔事(お悔やみ)の場合、袱紗の色は「紫」「紺」「グレー」などの寒色系を使います。慶事用の赤やピンクは絶対に使わないでください。

包み方の手順(弔事用):

  1. 袱紗をひし形に広げ、中央に香典袋を置きます(表書きが上)。
  2. 「右」の角を中央に折ります。
  3. 「下」の角を中央に折ります。
  4. 「上」の角を中央に折ります。
  5. 最後に「左」の角を折って巻き込み、完成です。

覚え方は「右開き(左が上)」です。慶事とは逆になりますので注意してください(慶事は右が上)。受付で渡す際は、袱紗から取り出し、相手が文字を読める向き(自分から見て逆向き)にして、両手で差し出します。このとき「この度はご愁傷様でございます」と一言添えましょう。

1級葬祭ディレクターのアドバイス
「最近はポケットタイプの簡易袱紗(金封ふくさ)を使う方が増えています。挟むだけで便利ですが、この場合も『左開き』になるように入れるのが弔事のマナーです。受付で袱紗から出すという所作一つで、あなたの丁寧な気持ちが伝わります。もし袱紗がない場合は、地味な色のハンカチで代用しても、裸で持っていくよりはずっと良い印象を与えます。」

香典の書き方に関するよくある質問(FAQ)

最後に、香典の準備中にふと疑問に思う細かいポイントをQ&A形式でまとめました。

Q. 金額は横書き(アラビア数字)で書いても失礼ではない?

A. 横書きの記入欄がある場合は問題ありません。
最近の市販の香典袋には、中袋に横書きで金額や住所を書く欄が印刷されているものが増えています。その場合は、無理に縦書きにせず、枠に従ってアラビア数字(1、2、3)で記入して構いません。枠がない真っ白な中袋の場合は、縦書きで漢数字(大字)を使うのが基本マナーです。

Q. 印刷された香典袋を使ってもマナー違反にならない?

A. マナー違反ではありませんが、手書きの方が丁寧です。
文字に自信がない方のために、「御霊前」や氏名があらかじめ印刷された香典袋も販売されています。これを使うこと自体は失礼ではありませんが、心がこもっているという点では、下手でも一生懸命手書きした文字の方が遺族の心に響くものです。印刷を使う場合でも、中袋の住所などは手書きすることをお勧めします。

Q. 49日法要と葬儀で書き方はどう変わる?

A. 表書きと墨の濃さが変わります。
通夜・葬儀では「御霊前」を「薄墨」で書きますが、四十九日法要では「御仏前」を「濃い墨(黒)」で書きます。四十九日は忌明けの節目であり、悲しみから日常へと戻る段階であるため、薄墨ではなく通常の黒墨を使います。また、水引も葬儀では「黒白」が一般的ですが、法要では「双銀」や「黄白(特に関西地方)」が使われることがあります。

1級葬祭ディレクターのアドバイス
「地域による風習の違い、特に関西と関東の違いには注意が必要です。例えば、水引の色一つとっても、関東では黒白が一般的ですが、関西の一部地域では法要などで黄白の水引を使うことがよくあります。また、『御霊前』の使い分けも地域色が強い部分です。もし遠方の葬儀に参列する場合で不安があれば、現地の親族や、その地域の葬儀社に事前に電話で確認するのが最も確実な方法です。」

まとめ:正しい書き方は故人と遺族への思いやり

香典の書き方は、単なるルールの遵守ではなく、故人を偲び、遺族をいたわる「心の表現」です。表書きの選び方から、中袋の丁寧な記入、そしてお札の向きに至るまで、一つひとつの所作に意味があります。

最後に、香典を渡す前に必ず確認すべきポイントをチェックリストにまとめました。家を出る前に、もう一度確認してみてください。

  • 表書きは宗派に合っていますか?(不明なら「御霊前」か「御香典」、浄土真宗なら「御仏前」)
  • 薄墨の筆ペンを使いましたか?(四十九日以降は濃い墨)
  • 氏名はフルネームで書きましたか?(連名の場合はバランスを確認)
  • 中袋に「金額」と「住所・氏名」をはっきり書きましたか?(金額は大字推奨)
  • お札の向きは揃っていますか?(顔を伏せて下向きに、新札なら折り目をつける)

これらのマナーを守ることで、あなたの弔意はより深く、正しく遺族に伝わります。急なことで準備が大変かと思いますが、このガイドが少しでもあなたの助けとなり、心置きなく故人をお見送りできることを願っています。

この記事を書いた人

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