「〇〇さん、この件についてメンションしておいて」
上司や先輩からこのように指示されたとき、あなたは自信を持って正しい操作ができるでしょうか?あるいは、「メンションって何?ただの返信とは違うの?」と戸惑い、こっそり検索してこのページにたどり着いたのかもしれません。
安心してください。ビジネスチャットやSNSが普及した現代において、メンションは必須のコミュニケーションスキルですが、学校で教わるものではないため、正しく理解していない人は意外と多いのです。
結論から申し上げますと、「メンション(mention)」とは、LINEやSlack、Teamsなどのチャットツールにおいて、「@+名前」を入力することで特定の相手を指名し、強力な通知を送る機能のことです。
単なるメッセージの送信とは異なり、メンションを正しく使うことで「これはあなた宛ての重要なメッセージですよ」という意図を明確に伝え、相手の見落としを防ぎ、チーム全体の業務効率を劇的に向上させることができます。逆に、使い方を間違えると「通知がうるさい」「マナー違反だ」と不快感を与えてしまうリスクも孕んでいます。
この記事では、ビジネスチャット導入コンサルタントとして数多くの企業でコミュニケーション設計を支援してきた筆者が、以下の3点を中心に徹底解説します。
- メンションとリプライ(返信)の決定的な違いと使い分け
- 【図解】LINE・Slack・Teams・SNSでの具体的な操作手順
- 「上司に呼び捨てになる?」「敬称はつけるべき?」など、プロが教えるビジネスマナーの正解
この記事を読み終える頃には、あなたはツールごとの操作に迷うことなく、相手に配慮したスマートな「メンション使い」ができるようになっているはずです。それでは、基礎知識から順に見ていきましょう。
メンションとは?今さら聞けない基礎知識とリプライとの違い
まずは「メンション」という言葉の本来の意味と、ITツールにおける役割について深掘りします。なぜ通常のメッセージではなく、わざわざメンションを使う必要があるのでしょうか。その本質を理解することで、ビジネスシーンでの適切な使い分けが見えてきます。
メンションの意味と基本的な役割(「言及する」から「通知を送る」へ)
「メンション(mention)」は、もともと英語で「言及する」「名前を挙げる」「(話のついでに)触れる」という意味を持つ動詞および名詞です。日常英会話では “Don’t mention it.”(お礼には及びません=その話題に触れなくていいですよ)といったフレーズで使われます。
しかし、現代のIT・ビジネス用語としてのメンションは、もう少し機能的な意味合いが強くなります。具体的には、「多人数が参加するチャットルームやタイムラインの中で、特定の個人やグループに向けて『あなたに話しかけています』と合図を送る機能」を指します。
多くのチャットツールでは、メッセージ入力欄に「@(アットマーク)」を入力し、続けて相手の名前を選択することでメンション機能が作動します。これにより、相手の画面には「あなたへのメンションがありました」という特別な通知が表示され、大量のメッセージの中に埋もれてしまうことを防ぐ役割を果たします。つまり、デジタルの世界において「ねえ、〇〇さん!」と肩を叩いて呼びかける行為に等しいと言えるでしょう。
なぜメンションが必要なのか?(多人数グループでの「自分事化」効果)
1対1の個人チャット(DM)であれば、送られたメッセージはすべて自分宛てであることが明白なため、わざわざメンションを使う必要はほとんどありません。メンションが真価を発揮するのは、3人以上のグループチャットや、数十人〜数百人が参加するプロジェクトチームでのやり取りです。
例えば、10人のチームメンバーがいるグループラインに「明日の会議資料、確認しておいてください」とだけ投稿したとします。すると、メンバーはどう思うでしょうか。「誰かがやるだろう」「自分には関係ないかも」と考え、結果として誰も確認しないという事態が起こり得ます。これは社会心理学でいう「リンゲルマン効果(社会的手抜き)」の一種です。
ここでメンションを活用し、「@佐藤さん @鈴木さん 明日の会議資料、確認しておいてください」と投稿すると状況は一変します。指名された佐藤さんと鈴木さんは、自分宛ての通知を受け取ることで「これは自分が対応しなければならないタスクだ」と認識し、メッセージを自分事化します。このように、責任の所在を明確にし、確実なアクションを促すためにメンションは不可欠な機能なのです。
「リプライ(返信)」と「メンション」の決定的な違い
よく混同されがちな機能に「リプライ(返信)」があります。どちらも相手に通知が届く機能ですが、その役割と情報の届き方には明確な違いがあります。この違いを理解していないと、会話の流れを断ち切ってしまったり、重要な情報が共有されなかったりするトラブルの元になります。
以下の比較表で、それぞれの特徴を整理しました。
▼ クリックして比較表を見る:メンションとリプライの機能・役割比較
| 項目 | メンション (Mention) | リプライ (Reply) |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 特定の人を指名して話しかける | 特定の投稿に対して返事をする |
| 操作方法 | 「@」+名前を入力 | 相手の投稿を選んで「返信」ボタン |
| 通知の強さ | 非常に強い(バッジやポップアップが出やすい) | 強い(ツールによるがメンションと同等の場合も) |
| 会話の構造 | 時系列のタイムラインにそのまま流れる | 特定の投稿に紐づき、スレッド化されることが多い |
| 第三者への見え方 | 全員が見やすく、議論に参加しやすい | スレッド内に格納され、他の人からは見えにくくなる場合がある |
| 主な用途 | 新しい話題の開始、タスクの依頼、至急の呼びかけ | 質問への回答、特定の話題の深掘り、雑談 |
最大の違いは「会話の構造(スレッド化)」にあります。SlackやTeamsなどのビジネスチャットでは、リプライを使うと元の投稿の下にコメントがぶら下がる「スレッド形式」になり、メインのタイムラインを占有しません。一方、メンションを使って投稿すると、メインのタイムラインに新しい投稿として表示されます。
「この話題は全員に知っておいてほしいけれど、特に〇〇さんには必ず見てほしい」という場合は、メインタイムラインでメンションを使います。逆に、「細かい確認事項なので、他の人の邪魔にならないようにしたい」という場合は、スレッド(リプライ)の中でメンションを併用するのが上級者のテクニックです。
ビジネスチャット導入コンサルタントのアドバイス
「Chatworkなど、一部のツールには『スレッド機能(リプライによる階層化)』が存在せず、すべてが時系列に流れる仕様のものがあります。こうしたツールでは、メンション(TO機能)を使わないと、過去のログが流れた際に『どの発言に対する返事なのか』が全く分からなくなってしまいます。ツールにリプライ機能がない場合こそ、メンション(引用含む)を徹底することが、コミュニケーションの混乱を防ぐ唯一の手段となります。」
【ツール別完全ガイド】メンションのやり方と操作手順
「理屈はわかったけれど、実際にどう操作すればいいの?」という方のために、主要なビジネスチャットツールおよびSNSでの具体的なメンション手順を解説します。ツールによって「@」の挙動や、候補の表示のされ方が微妙に異なるため、自分が使用しているツールの手順をしっかり確認しておきましょう。
LINE(ライン)でのメンション方法
プライベートだけでなく、ビジネスの連絡手段としても使われることが多いLINE。グループトークにおいて特定の相手にメッセージを送る際にメンションが役立ちます。なお、1対1のトークではメンション機能は使えません(使う必要がないため)。
▼ LINEでの詳細操作ステップを見る
- グループトークを開く
メンションを送りたい相手が含まれているグループトーク、または複数人トークを開きます。 - メッセージ入力欄に「@」を入力する
半角・全角どちらの「@」でも構いません。入力すると、画面下部にグループメンバーのリストが自動的に表示されます。 - リストから相手を選択する
表示されたメンバー一覧から、メンションしたい相手のアイコン・名前をタップします。これで入力欄に青文字で「@名前」が挿入されます。 - メッセージを入力して送信
名前の後ろに必ず「半角スペース」が入っていることを確認し(自動で入ります)、続けて用件を入力して送信ボタンを押します。
注意点:
相手の名前をタップせずに、手動で「@田中」のように文字だけで打ってもメンション(青文字)にはなりません。必ずリストから選択してください。
Slack(スラック)でのメンション方法
IT企業やスタートアップを中心に標準ツールとなっているSlack。非常に多彩なメンション機能を持っていますが、基本の個人宛てメンションをマスターしましょう。
▼ Slackでの詳細操作ステップを見る
- メッセージ欄で「@」を入力する
半角の「@」を入力すると、メンバーリストのポップアップが表示されます。 - メンバーを検索・選択する
リストから探すか、続けて相手の名前(表示名または氏名)の一部を入力して絞り込みます。例えば「@tanaka」と打つと田中さんが候補に出ます。
※日本語入力モードのままでも検索できますが、英数字入力モードに切り替えておくと動作がスムーズです。 - 決定してメッセージを記述
Enterキーまたはクリックで相手を決定すると、水色の背景がついたメンションリンクとして確定されます。続けてメッセージを書き、送信します。
便利な機能:
複数の人に同時に送りたい場合は、「@田中 @鈴木」のようにメンションを並べて記述することが可能です。
Microsoft Teams(チームズ)でのメンション方法
大企業での導入率が高いMicrosoft Teams。Office 365との連携が強みですが、メンションの挙動には少し特徴があります。
基本操作はSlackと同様、メッセージ入力欄で「@」を入力し、候補からメンバーを選択します。Teamsの特徴的な点は、「メンション名の編集」ができることです。
例えば、候補から「佐藤 健太郎」さんを選択すると、入力欄には「@佐藤 健太郎」とフルネームで挿入されます。しかし、親しい間柄や文脈によってはフルネームが堅苦しい場合があります。この時、挿入された名前の「健太郎」部分をBackSpaceキーで消すと、「@佐藤」だけを残した状態でメンション機能を維持できます。これにより、「@佐藤 さん、お願いします」のように、自然な文体で呼びかけることが可能です。
Chatwork(チャットワーク)での「TO」機能との違いと操作
日本発のビジネスチャットであるChatworkでは、「メンション」という言葉の代わりに「TO(トゥー)」という機能が使われますが、役割は同じです。
メッセージ入力欄の上部にある「TO」アイコンをクリックし、メンバーリストから相手を選択します。すると、入力欄に [To:123456] 佐藤さん のような独自のタグが挿入されます。このタグは手入力が難しいため、必ずアイコンから選択するか、相手の過去の発言にカーソルを合わせた時に表示される「TO」ボタンを押して使用します。
ビジネスチャット導入コンサルタントのアドバイス
「ツールごとに『通知の届き方』が異なる点に注意が必要です。例えばSlackでは、自分がメンションされた投稿はサイドバーの『メンション&リアクション』一覧に集約されますが、Chatworkでは『自分宛て』というタブに振り分けられます。導入直後の企業では、この『どこを見れば自分宛ての連絡がわかるか』という基本導線を周知するだけで、連絡の見落としが激減します。」
失敗しない!ビジネスチャットでのメンション活用マナー5選
操作方法以上に重要なのが、「ビジネスマナー」です。対面での会話に礼儀があるように、チャット上のメンションにも守るべきエチケットが存在します。特に目上の人へのメンションや、深夜の送信など、判断に迷うポイントについて、プロの視点から解説します。
上司や目上の人にメンションしても失礼ではない理由
「社長や部長に対して、@で呼び捨てにするような通知を送っていいのだろうか?」と悩む新入社員の方は非常に多いです。結論から言えば、業務上の必要性がある限り、上司へのメンションは全く失礼ではありません。むしろ推奨されます。
上司は部下よりも多くのプロジェクトに関わっており、日々大量のメッセージを受け取っています。その中で、自分が見るべきメッセージがどれなのかを瞬時に判別できるメンションは、上司の時間を節約する「配慮」に他なりません。
ただし、ぶっきらぼうに「@部長 確認お願いします」とだけ送るのは避けましょう。「@部長 お忙しいところ恐縮ですが、資料の確認をお願いいたします」のように、前後にクッション言葉を添えることで、丁寧さを保ちつつ機能を活用するのが正解です。
ビジネスチャット導入コンサルタントのアドバイス
「私がコンサルティングに入ったある企業では、『上司へのメンション禁止』という謎の暗黙ルールが存在し、そのせいで上司が重要事項を見落とすトラブルが多発していました。そこで『メンションは呼び捨てではなく、デジタルな付箋(ふせん)である』と定義し直し、役職者側から『どんどんメンションしてくれ』と公言してもらうことで、心理的安全性を確保しました。ルール化に迷ったら、まずはリーダー層が率先してスタンスを示すことが重要です。」
「さん」付けは必要?敬称に関するビジネスマナーの正解
多くのツールでは、メンションを選択すると自動的に登録名(フルネームなど)が挿入されます。このとき、「@佐藤」の後に「さん」をつけるべきかどうかもよくある悩みです。
基本的には、メンションの後ろに「さん」などの敬称を補うのが無難であり、推奨されるマナーです。
- OK例: @佐藤 さん、昨日の件ですが…
- OK例: @佐藤課長 、ご相談があります。
- NG例(相手によっては): @佐藤 昨日の件ですが…
システム上は「@佐藤」という文字列自体がリンクになっていますが、見た目は呼び捨てのように感じられることがあります。特にSlackやTeamsなどの海外製ツールは敬称の概念が薄いため、日本企業で導入する際は「メンション+さん付け」を基本ルールとすることが多いです。もちろん、フランクな社風の企業や、「さん付け不要」という明文化されたルールがある場合はその限りではありません。
業務時間外・休日のメンションは避けるべきか(予約送信の活用)
メンションは強力な通知を伴うため、相手のスマートフォンにプッシュ通知が表示される可能性が高いです。そのため、業務時間外や休日のメンション送信は、緊急時を除き避けるべきです。
「忘れないうちに送っておきたい」という場合は、各ツールに備わっている「予約送信機能」を活用しましょう。SlackやTeams、LINE(LINE WORKS)には、メッセージを作成して送信時間を翌朝の9時に設定する機能があります。これを使えば、自分のタスクを消化しつつ、相手のプライベート時間を侵害せずに済みます。
メンションを飛ばしすぎない(「通知公害」を防ぐ配慮)
「念のため見てほしいから」といって、関係者全員に無闇にメンションを飛ばすのはNGです。これを繰り返すと、受け手は「また自分に関係ない通知が来た」と学習し、狼少年のような状態になって本当に重要な通知まで無視されるようになります。これを「通知公害」と呼びます。
メンションを送る相手は、「必ずアクション(返信や作業)をしてほしい人」と「決定事項を即座に知る必要がある人」に限定しましょう。「時間がある時に見ておいてほしい」程度であれば、メンションなしで投稿するか、スレッドに書き込むだけに留めるのがスマートです。
重要な報告はメンションだけでなく「リプライ(スレッド)」も併用する
チャットツールの欠点は、会話が流れてしまうことです。重要な依頼をメンションで送ったとしても、その後別の話題で盛り上がってしまうと、依頼が画面外に押し出されてしまいます。
これを防ぐために、重要な報告や依頼をした後は、その投稿に対して自分で「リプライ(スレッド)」を付け、「進捗はこちらに書きます」等のコメントを残しておくと良いでしょう。スレッド化しておけば情報は一箇所にまとまり、後から見返す際も容易になります。メンションは「気づかせる」ための機能、スレッドは「情報を蓄積する」ための機能と使い分ける意識が大切です。
【要注意】「@all」「@here」など一斉送信メンションの正しい使いどころ
初心者が最も恐れ、そして最も事故を起こしやすいのが「範囲メンション(一斉送信)」です。一つのコマンドで数十人、時には数千人に通知を飛ばしてしまうこの機能は、使い方を誤ると業務妨害になりかねません。正しい知識を身につけましょう。
範囲メンション(@channel / @here / @全員)の違いと影響範囲
SlackやDiscordなどのツールには、個人の名前を指定する代わりに、特定の範囲全員に通知を送る特殊なメンションが存在します。主なものは以下の通りです。
▼ Slack/Teams等の範囲メンション機能比較
| コマンド | 対象範囲 | 通知が届く相手 | 緊急度・用途 |
|---|---|---|---|
| @channel (Teams: @チーム) |
チャンネル参加者全員 | オフライン(寝ている人、休暇中の人)を含む全員に通知。 | 【緊急度:高】 サーバーダウン、災害時の安否確認、全社会議の変更など。 |
| @here (Discord: @here) |
チャンネル参加者のうちオンラインの人 | 現在アクティブ(PCを開いている)な人のみ。オフラインの人には通知されない。 | 【緊急度:中】 「今からランチ行ける人」「至急ちょっと確認したいこと」など。 |
| @everyone (Teams: @全員) |
ワークスペース参加者全員 | 組織全体。Generalチャンネルなどで使用すると全社員に届く。 | 【緊急度:最高】 経営に関わる重大発表など。一般社員は使用禁止の場合が多い。 |
特に注意が必要なのは @channel です。これは相手が休暇中であろうと深夜であろうと、強制的に通知を送る強力なコマンドです。「明日のランチどうする?」といった雑談で @channel を使うのは、全社員のポケットの中でスマホを振動させる行為であり、重大なマナー違反となります。
全員宛てメンションを使って良いシーン・悪いシーン
使って良いシーン:
- システム障害や災害など、全員が即座に知るべき緊急事態。
- 締め切り直前の業務連絡で、対象者が特定できない場合(「未提出の方は至急お願いします」など)。
- 会議室の変更など、直前のアナウンス。
使ってはいけないシーン:
- 個人の落とし物の連絡(「傘忘れた人いますか?」)。
- 一部の人にしか関係のない業務連絡。
- 挨拶や雑談。
【失敗談】誤って全社員に通知を送ってしまった時の対処法
人間誰しもミスはあります。もし誤って全社員が入っているチャンネルで「@channel テスト」などと送ってしまった場合はどうすればよいでしょうか。
- 即座にメッセージを削除する
多くのツールでは、メッセージを削除すれば通知バッジも消えることがあります(スマホのプッシュ通知は残りますが、アプリを開いた時の混乱は防げます)。 - 謝罪の投稿をする(メンションなしで)
「先ほどの通知は誤操作です。大変失礼いたしました」と簡潔に投稿します。この時、焦って再び @channel をつけて謝罪してはいけません。二重の通知公害になります。
体験談:筆者の冷や汗エピソード
「私自身も新人の頃、500人が参加する全社連絡用チャンネルで、同期への個人的なランチの誘いを誤って『@channel』付きで投稿してしまった経験があります。一瞬にして『全社員をランチに誘った男』として有名になってしまいました。あの時の画面の向こうからの冷ややかな視線(と感じる沈黙)は今でも忘れられません。この失敗から学んだのは、『広い場所(大人数のチャンネル)では、入力欄に文字を打つ前に深呼吸する』という癖をつけることです。」
SNS(X・Instagram)におけるメンション(タグ付け)の特徴
ここまではビジネスツールについて解説してきましたが、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSでも「メンション」は頻繁に使われます。ビジネスとは少し文脈が異なり、コミュニケーションのきっかけや、承認欲求を満たす手段として使われることが多いです。
Instagram(インスタ)ストーリーでのメンション方法と通知
Instagramでは、フィード投稿やストーリーズで「@ユーザーネーム」を入力することを一般的に「メンション(またはタグ付け)」と呼びます。
特にストーリーズでのメンションは重要です。一緒に遊んでいる友達のアカウントをメンションして投稿すると、相手のDMに「ストーリーズであなたをメンションしました」という通知が届きます。通知を受け取った相手は、その投稿をワンタップで自分のストーリーズに引用(リポスト)することができます。
これは「私たちは仲が良いですよ」と相互にアピールするコミュニケーションの一環として定着しています。逆に、一緒に遊んだのにメンションされないと「載せたくないのかな?」と深読みされることもあるほど、若年層にとっては重要な作法となっています。
X(旧Twitter)でのメンションとリプライの使い分け
Xにおけるメンションは、ツイートの中に「@ユーザー名」を含めることを指します。
- リプライ(返信): 相手のツイートの「返信ボタン」から送るもの。会話のスレッドとして繋がります。
- メンションツイート: 新規ツイート作成画面で、手動で「@ユーザー名」を書いて投稿するもの。スレッドにはならず、自分のフォロワー全員のタイムラインに表示されつつ、相手にも通知が飛びます。
「この人のこの活動をみんなに知ってほしい!」と紹介する場合はメンションツイートを使い、単に会話をするだけならリプライを使う、といった使い分けが一般的です。
SNSで知らない人からメンションされた時の対応とブロック機能
SNSはオープンな場であるため、全く知らないアカウントから突然メンション(スパムや勧誘など)が飛んでくることがあります。
基本的に、身に覚えのない不審なメンションは「反応せずに無視(スルー)」が鉄則です。リンクが貼られている場合は絶対にクリックしてはいけません。執拗な場合は、各SNSの「ブロック機能」や「通報機能」を使いましょう。また、設定画面から「メンションできる人を『フォローしている人』のみに制限する」ことも可能です。プライバシーを守るため、設定を見直してみることをお勧めします。
ビジネスチャット導入コンサルタントのアドバイス
「SNSマーケティングの観点では、インフルエンサーや企業アカウントにメンションを送ることで、自分の投稿に気づいてもらい、拡散(リツイート)を狙う手法があります。ただし、関係性のない相手への過度なメンションは『スパム行為』とみなされ、アカウント凍結のリスクもあるため注意が必要です。」
メンションが「できない」「通知が来ない」時のトラブルシューティング
「教わった通りにやっているのに、なぜかメンションできない」「自分へのメンション通知が来なくて怒られた」といったトラブルは、設定や入力ミスが原因であることがほとんどです。よくある原因と解決策をQ&A形式でまとめました。
候補が出てこない・名前が選択できない原因
Q. 「@」を打ってもメンバーリストが出てきません。
A. 以下の3点を確認してください。
- 全角・半角の違い: 多くのツールは「半角の@」でないと反応しません。日本語入力モードのままでも、変換候補から半角の「@」を選んでみてください。
- 直後にスペースがない: 文の途中でメンションする場合、「こんにちは@佐藤」のように文字が詰まっていると反応しないことがあります。「こんにちは @佐藤」のように、「@」の前に半角スペースを入れてみてください。
- ローマ字入力の罠: 相手の登録名が漢字なのに、ローマ字で検索していませんか?あるいはその逆ではありませんか?Slackなどでは「表示名」と「氏名」が異なる場合があるため、相手のプロフィールを確認しましょう。
メンションされたのに通知が来ない場合の設定確認
Q. メンションされていたのに気づかず、無視してしまいました。通知が来ないのはなぜ?
A. デバイスごとの通知設定と、ツール内の設定の両方を確認が必要です。
- スマホ本体の設定: iPhone/Androidの「設定」→「通知」で、そのアプリの通知が許可されているか確認してください。
- ツール内の設定:
- おやすみモード: SlackやTeamsで「おやすみモード(通知一時停止)」になっていませんか?
- 通知スケジュール: 「平日9時〜18時のみ通知する」といった設定になっていませんか?
- チャンネルごとのミュート: 特定のグループラインやチャンネルを「通知オフ」にしていませんか?メンション通知さえもブロックする設定になっている場合があります。
メンションの通知がうるさい時の「通知オフ」設定方法
Q. 業務に関係ないメンション通知が多くて集中できません。
A. 必要な通知だけを受け取る設定に変えましょう。
例えばSlackでは、環境設定の「通知」セクションで、「すべての新しいメッセージ」ではなく「ダイレクトメッセージ&メンション&キーワード」にチェックを入れる設定が推奨されます。こうすれば、自分が指名された時だけ通知が来るようになり、平場の雑談通知に悩まされることがなくなります。
グループに入っていない人にメンションは送れる?
Q. グループに参加していない上司をメンションで呼ぶことはできますか?
A. 基本的にはできません。
メンションは「そのチャットルームにいるメンバー」に対して送る機能です。グループ外の人にメンションを送りたい場合は、まずその人をグループに招待する必要があります。
ただし、SlackやTeamsの一部機能では、メンションしようとすると「このメンバーはここに参加していません。招待しますか?」とサジェストしてくれる親切な機能もあります。意図せず招待してしまわないよう、ポップアップのメッセージはよく読むようにしましょう。
メンションされた側のマナー:返信とリアクションのコツ
最後に、「メンションを受け取った側」の振る舞いについて解説します。メンションを送る側だけでなく、受ける側のマナーも整って初めて、円滑なコミュニケーションが成立します。
メンションには「即レス」すべき?スタンプでの反応でもOK?
メンションが来たからといって、必ずしも秒速で文章の返信をする必要はありません。作業中で手が離せないこともあるでしょう。
しかし、送り手は「気づいてくれたかな?」と不安に思っています。そこで役立つのが「リアクション(スタンプ)」機能です。
- 内容を理解し、承諾した場合: 「了解」「OK」「いいね」などのスタンプを押す。
- 後で対応する場合: 「確認しました(目は通しました)」という意味で、目のアイコンや「確認中」のスタンプを押す。
これなら1秒で済みます。文章での返信は後でも構いませんが、「メンションに対する何らかの反応(リアクション)」は、可能な限り早く行うのが、信頼されるビジネスパーソンの鉄則です。
複数の人にメンションされた場合の返信方法
「@佐藤 @鈴木 @高橋 今日の議事録確認お願いします」のように、複数人宛てにメンションが来た場合、誰が返信すべきでしょうか?
正解は「全員がそれぞれ反応する」です。誰かが返信するだろうと放置するのはNGです。
また、返信する際も全員にメンションを返す必要はありません。送り主に対してだけ「@田中 確認しました」と返せば十分です。全員にメンションを返すと、関係ない人にまで通知が行ってしまいます。
自分に関係ないメンションが来た時のスルー力
明らかに誤爆と思われるメンションや、全員宛て(@here)で自分には関係のない内容が来た場合はどうすべきでしょうか。
いちいち「私には関係ありませんが…」と指摘するのは角が立ちますし、タイムラインを汚してしまいます。自分にタスクが発生しない内容であれば、静かにスルー(既読スルー)するのも立派なマナーです。大人の対応として、「必要な情報だけを拾い、ノイズは受け流す」スキルも身につけておきましょう。
ビジネスチャット導入コンサルタントのアドバイス
「『既読スルー』をネガティブに捉える人がいますが、ビジネスチャットにおいては『読みました(=異存ありません)』という肯定的なサインとして運用ルールを定める企業が増えています。いちいち『了解です』という文字だけの投稿が100件続くと、重要な情報が流れてしまうからです。スタンプひとつ、あるいは既読がつくだけでOKとする文化を作ることが、生産性向上の鍵です。」
よくある質問(FAQ)
記事の締めくくりとして、細かいけれど気になる疑問について簡潔にお答えします。
Q. メンションの色が変わらないのはなぜですか?
テキスト入力欄で「@佐藤」と打ったのに、文字色が青くならず、リンクにならないことがあります。これは、候補リストから選択せずに手打ちした場合や、全角文字が含まれている場合に起こります。「テキスト扱い」になっているため、相手に通知は飛びません。必ず候補リストからクリックまたはタップして選択するようにしてください。
Q. メンションを削除したら相手の通知も消えますか?
ツールによりますが、多くの場合は以下の挙動になります。
- アプリ内のバッジ(赤丸): メッセージを削除すると消えることが多いです。
- スマホのロック画面通知(プッシュ通知): 一度届いてしまった通知は、送信を取り消しても相手の画面に残ることがあります(「メッセージは削除されました」と表示が変わる場合もあります)。
完全に「無かったこと」にはできないため、送信前の確認が重要です。
Q. 英語圏の相手にメンションする時の注意点は?
グローバルチームで英語でやり取りする場合、”Mr.” や “Ms.” といった敬称をメンションにつけることは稀です。欧米のビジネスチャット文化では、上司であってもファーストネームで「@John, could you check this?」と呼びかけるのが一般的です。過度にへりくだる必要はありません。
まとめ:メンションを使いこなして円滑なコミュニケーションを
最後までお読みいただき、ありがとうございます。メンションの意味から操作方法、そしてビジネスシーンでのマナーまで、網羅的に解説してきました。
この記事の要点を改めて整理します。
- メンションは、相手を指名して「自分事化」させるための通知機能である。
- リプライ(スレッド)とは「会話の場所」が違う。重要事項はメンションでメインタイムラインに、詳細はスレッドに。
- 上司へのメンションは失礼ではない。むしろ「さん」付けを忘れなければ推奨される配慮である。
- 「@channel」などの範囲メンションは、全社員の時間を奪う可能性があるため、緊急時以外は使用を控える。
- メンションされたら、まずはスタンプひとつでいいので「即リアクション」を心がける。
メンションは単なるデジタルツールの機能ですが、その根底にあるのは「相手に確実に伝えたい」「相手の時間を無駄にしたくない」という配慮(思いやり)です。
最初は操作に戸惑うこともあるかもしれませんが、まずは身近な同僚や同期とのやり取りで練習してみてください。そして慣れてきたら、上司やチーム全体への連絡でも積極的に活用してみましょう。あなたが適切にメンションを使いこなすことで、チーム全体のコミュニケーションがスムーズになり、仕事のスピード感が変わっていくのを実感できるはずです。
ぜひ今日から、恐れずに「@」を入力してみてください。その一文字が、あなたのビジネスコミュニケーションを一歩前進させるスイッチになるでしょう。
Checklist|メンション送信前の最終チェックリスト
- 相手の名前(選択対象)は間違っていないか?
- 敬称(さん)の有無は社内ルールや相手との関係性に合っているか?
- 全員宛て(@all / @channel)にする必要性は本当にあるか?
- 緊急度に合わせて送信タイミング(深夜・休日)を配慮したか?
- 誤字脱字はないか?(送信後の編集は通知が再送されない場合があるため注意)
コメント