八潮市内で車を運転中、あるいは歩行中に、道路にぽっかりと空いた穴や危険な陥没を見つけたことはありませんか?「このまま放置しておいたら、誰かが事故に遭うかもしれない」「自分の家の前だから早く直してほしい」と思っても、いざ通報しようとすると「どこに連絡すればいいのかわからない」「役所に電話してもたらい回しにされそう」と躊躇してしまう方が非常に多いのが現実です。
結論から申し上げますと、八潮市内の道路陥没やポットホール(舗装の穴)は、その道路の種類によって「八潮市役所」「埼玉県越谷県土整備事務所」「国土交通省」と、明確に連絡先が分かれています。発見時は二次被害を防ぐため、直ちに適切な窓口へ通報することが求められます。また、近年では電話だけでなく、LINEを活用した通報システムも整備されており、活用次第で迅速な対応が期待できます。
この記事では、元自治体土木担当として道路維持管理の最前線にいた私が、以下の3点を中心に、市民の皆様が迷わず行動できるための情報を徹底解説します。
- 【一覧表】八潮市の道路別・緊急通報先と受付時間
- 元職員が教える「たらい回し」を防ぐ管轄の見分け方
- 役所が最速で動くための「場所」と「状況」の伝え方
道路の異状は、早期発見と早期通報が、大きな事故を防ぐ唯一の手段です。この記事をブックマークし、いざという時の「お守り」として活用してください。
【最優先】八潮市の道路陥没・異状発見時の緊急連絡先まとめ
道路の陥没や大きな穴を発見した際、最も重要なのは「一刻も早く、正しい管理者に情報を伝えること」です。道路には「市道」「県道」「国道」という区別があり、それぞれ管理している組織が全く異なります。間違った連絡先に電話をしてしまうと、そこから担当部署へ転送されたり、あるいは「そちらは管轄外です」と言われて掛け直しになったりと、貴重な時間をロスすることになります。緊急性が高い場合、この数分のロスが事故につながる可能性も否定できません。
ここでは、八潮市内で発生した道路トラブルの連絡先を網羅的にまとめました。まずは以下の表で、目の前の道路がどこに該当するかを確認し、適切な窓口へ連絡してください。特にスマートフォンでご覧の方は、番号を控えてすぐに発信できる体制を整えておくことをお勧めします。
▼ 八潮市 道路緊急連絡先一覧表(タップして確認)
| 道路の種類 | 連絡先名称 | 電話番号 | 受付時間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 八潮市道 (生活道路・路地) |
八潮市役所 建設部 建設管理課 |
048-996-2111 (代表) |
平日 8:30〜17:15 |
「建設管理課へ」と伝えてください。夜間・休日は守衛室対応となります。 |
| 埼玉県道 (主要地方道) |
埼玉県 越谷県土整備事務所 |
048-964-5221 | 平日 8:30〜17:15 |
県道足立越谷線、八潮三郷線などが該当します。 |
| 国道 (国道4号など) |
国土交通省 道路緊急ダイヤル |
#9910 | 24時間 年中無休 |
通話料無料。道路管理者が不明な場合の一時受付も可能です。 |
八潮市道の場合(生活道路・路地など)
八潮市内を走る道路の多くは「市道」に分類されます。住宅街の中にある生活道路や、主要な通りから一本入った路地などは、ほぼ間違いなく八潮市役所の管轄です。これらの道路で陥没や穴を見つけた場合の連絡先は、「八潮市役所 建設部 建設管理課」となります。
平日の8時30分から17時15分の間であれば、市役所の代表番号に電話をかけ、交換手に「道路に穴が開いているので、建設管理課につないでほしい」と伝えれば、担当の職員に直接つながります。建設管理課は、道路の維持補修を専門に行う部署であり、市内をパトロールしている補修班(直営班)を持っています。通報の内容によっては、即座に補修班が現場へ急行し、常温合材(簡易アスファルト)による穴埋め作業を行ってくれます。
しかし、ここで注意が必要なのが「電話がつながりにくい場合」や「担当者が不在の場合」です。道路の維持管理担当者は、現場に出ていることが多く、デスクにいない時間帯も少なくありません。また、台風や大雨の直後などは通報が殺到し、回線がパンクすることもあります。
元自治体土木担当のアドバイス
「電話がつながらない、あるいは担当者が不在で伝言になると言われた場合でも、諦めずに『緊急性が高い』ことを必ず伝えてください。単に『担当に戻るよう伝えます』と言われて電話を切ると、対応が後回しにされるリスクがあります。『大きな穴で、今にもバイクが転倒しそうです。至急どなたか現場に向かえませんか?』と強く主張することで、課内の別の職員や上司が代理で対応に動くスイッチが入ります。役所組織は『危険の予見』に対して非常に敏感ですので、具体的な危険性を添えることが最も効果的です」
埼玉県道の場合(主要地方道・県道〇〇号線)
八潮市には、市道だけでなく重要な幹線道路として「県道」が走っています。例えば、県道足立越谷線や県道八潮三郷線などがこれに該当します。これらの道路は交通量が非常に多く、大型トラックの通行も頻繁であるため、路面の傷みが進行しやすい傾向にあります。県道で陥没やポットホールを発見した場合は、市役所ではなく「埼玉県 越谷県土整備事務所」へ連絡する必要があります。
県土整備事務所は、複数の市町にまたがる広域的な道路管理を行っています。そのため、通報する際は単に「八潮市の道路で」と伝えるだけでなく、「八潮市内の県道〇〇線で」と路線名を明確に伝えることがスムーズな対応の鍵となります。もし路線名がわからない場合は、近くにある交差点名や、目印となる大きな店舗名を伝えて特定してもらいましょう。
県道のガードレールは、支柱に「埼玉県」の文字が入ったシールが貼られていたり、ガードレール自体が白色ではなく茶色やダークグレーなどの景観色になっていたりすることがありますが、最も確実なのは標識(ヘキサゴンと呼ばれる六角形の県道番号標識)を確認することです。紺色の数字で路線番号が書かれていれば、それは県道です。
国道の場合(国道4号バイパスなど)
国道4号(草加バイパス)や国道298号といった、国の動脈とも言える主要道路は、国土交通省の管轄となります。これらの道路で異状を発見した際に利用すべきなのが、「道路緊急ダイヤル #9910」です。この番号は全国共通で、24時間365日、通話料無料で利用できる非常に便利なホットラインです。
固定電話はもちろん、携帯電話やスマートフォンからも局番なしで「#9910」とプッシュするだけでつながります。自動音声ガイダンスに従って道路の種類などを選択すると、管轄の道路管理者(国道事務所など)の指令センターにつながる仕組みになっています。
特に国道298号などは、東京外環自動車道と並行しており、管理区分が複雑に見えることがありますが、#9910にかければ適切な部署へ誘導してくれます。夜間や早朝に幹線道路で危険な穴を見つけた場合は、迷わずこの番号を利用してください。
夜間・休日で緊急を要する場合の対応
道路の陥没は、役所の開庁時間に合わせて発生してくれるわけではありません。金曜日の夜や、日曜日のドライブ中に発見することもあるでしょう。八潮市役所や県土整備事務所が閉庁している夜間・休日に、緊急対応が必要な陥没を見つけた場合はどうすればよいのでしょうか。
基本的には、八潮市役所の代表電話にかけてください。閉庁時間は「守衛室(当直)」につながります。守衛室の職員は道路の専門家ではありませんが、緊急連絡網を持っており、自宅待機している道路担当職員や、委託している緊急対応業者へ連絡を取る手順が確立されています。「道路に大きな穴が開いていて、今すぐ処置しないと事故が起きる」と、緊急性を強調して伝えてください。
また、陥没が巨大で通行が不可能な場合や、すでに事故が発生してしまった場合、あるいはカラーコーンなどの規制材がなく二次被害が確実視されるような切迫した状況であれば、警察(110番)への通報も検討してください。警察は道路管理者ではありませんが、交通整理や一時的な通行止めを行い、警察無線を通じて道路管理者へ緊急出動要請を行う権限を持っています。安全確保が最優先ですので、躊躇する必要はありません。
どこにかければいい?「たらい回し」を防ぐ道路管轄の正しい見分け方
「連絡先がいろいろあるのは分かったけれど、今目の前にあるこの道路が、市道なのか県道なのかわからない」。これが、通報者が直面する最大のハードルです。誤った通報先に電話をかけてしまうと、「それはうちの管轄ではありません」と言われ、別の電話番号を案内されるという、いわゆる「たらい回し」に遭う可能性があります。これは通報者の善意を挫く原因にもなります。
ここでは、道路のプロが現場で実践している、一瞬で管轄を見分けるテクニックと、どうしても分からない時の対処法を伝授します。これを知っているだけで、ストレスなくスムーズに通報を行うことができます。
ガードレールと標識で見分けるプロのテクニック
道路上に設置されている構造物には、実は「管理者のサイン」が隠されています。最もわかりやすいのがガードレールです。ガードレールの支柱(地面に刺さっている部分)やビーム(横板)の端をよく見てください。そこに小さな丸いシールが貼られていることがあります。
八潮市道の場合、多くのガードレールやカーブミラーの支柱に「八潮市」の市章が入った管理シールが貼られています。また、カーブミラーの支柱には「八潮市 No.〇〇」といった管理番号が記載されていることが多く、これがあれば間違いなく市の管轄です。
一方、県道の場合は、ガードレールの支柱に「埼玉県」という文字や県章(勾玉を並べたようなマーク)が入ったシールが貼られています。また、歩道と車道を区切る境界ブロックなどに「県」という刻印がある場合も、県道の可能性が高いです。
標識も重要な手がかりです。「止まれ」などの規制標識の支柱に、設置者を示すシールが貼ってあることがあります。「埼玉県公安委員会」とあれば警察の管轄ですが、その下に「管理者:埼玉県」や「管理者:八潮市」といった別のシールが貼られている場合があり、これが道路管理者を特定する決定的な証拠になります。
ネット地図を活用した確実な確認方法
現場でシールが見当たらない、あるいは夜で見えにくい場合は、スマートフォンの地図アプリやWebサイトを活用して確認する方法があります。ただし、普段使っているGoogleマップでは、道路の管轄までは色分けされていないため、判断が難しい場合があります。
お勧めなのは、「マピオン」などの地図サービスです。マピオンの地図は、市区町村の境界線や道路の種別が比較的わかりやすく表示されることがあります。しかし、最も確実なのは、八潮市が公式に公開している「八潮市認定路線網図」を確認することです。
八潮市の公式サイト内には、どの道路が市道として認定されているかを示す地図情報が掲載されています。「八潮市 認定路線網図」と検索し、該当ページを開くと、市内の道路網が網の目のように描かれた地図を閲覧できます。ここで色がついている道路、あるいは路線番号が振られている道路は市道です。少し手間はかかりますが、PCやスマホから正確な情報を得たい場合には最強のツールとなります。
それでも分からない時の「魔法のフレーズ」
現場に目印がなく、ネットで調べる余裕もない。そんな時はどうすればよいのでしょうか。分からなくて通報を諦めるのが一番の損失です。そんな時に役所を動かすための「魔法のフレーズ」があります。
元自治体土木担当のアドバイス
「管轄が不明な時は、とりあえず『八潮市役所』にかけてしまいましょう。そして電話口でこう伝えてください。『場所は〇〇付近なのですが、市道か県道か分かりません。危険なので、もし市道でなければ、そちらからしかるべき管理者へ転送するか、連絡を入れてもらえませんか?』と。
重要なのは『管理者不明だが危険である』という事実を伝えることです。役所には『市民からの通報を無下に断ってはいけない』という意識があります。市道でなかったとしても、親切な職員であれば県土整備事務所へ電話を取り次いでくれたり、あるいは『こちらから県へ連絡しておきます』と引き取ってくれたりします。責任の所在を一時的に市役所に預けてしまう、というテクニックです」
また、どうしても判断がつかない場合は、前述の「#9910(道路緊急ダイヤル)」にかけるという手段もあります。このダイヤルは、国道の通報だけでなく、管理者不明の道路異状に関する情報の受け付けも行っています。オペレーターが状況を聞き取り、適切な道路管理者へ情報を振り分けてくれますので、迷ったら#9910を活用するのも賢い選択です。
元職員直伝!役所が最速で補修に動く「通報のコツ」と伝え方
通報先が決まったら、次は「いかに情報を正確に伝えるか」が勝負です。実は、役所の職員が現場に向かうまでに最も時間を費やすのが「場所の特定」です。「〇〇さんの家の前」と言われても、職員はその家を知りません。また、「大きな穴」と言われても、それが緊急出動すべきレベルなのか、翌日のパトロールで対応すれば良いレベルなのか、判断に迷うことがあります。
ここでは、元職員の視点から、担当者が「これは今すぐ行かなければマズい!」と判断し、最速で現場へ急行するための情報の伝え方を解説します。
現場到着を30分早める「場所(位置情報)」の伝え方
電話で場所を伝える際、住所がピンポイントで分かればベストですが、道路上で正確な番地を把握するのは困難です。そこで役立つのが、不動の目印です。
最強の目印は「電柱番号」です。電柱には必ず、管理用のプレートが取り付けられています。東京電力の電柱であれば「八潮〇〇支 123」といった漢字と数字の組み合わせ、NTTの電柱であれば同様に固有の番号が書かれています。この番号は地図上で完全に位置が特定できるようになっており、役所の職員も電力会社やNTTの図面照合システムを使ったり、住宅地図と照らし合わせたりして、ピンポイントで場所を特定できます。「近くの電柱に、八潮〇〇支 123と書いてあります」と伝えるだけで、説明の手間が劇的に省け、到着時間が大幅に短縮されます。
電柱が見当たらない場合は、「自動販売機の住所表示」を探してください。多くの自動販売機には、正面下部や側面に、設置場所の住所が記載されたステッカーが貼ってあります。また、公園の入り口にある銘板(公園名)や、バス停の名前も有効な目印となります。
優先順位を上げさせる「危険度」の言語化テクニック
役所には日々、多くの要望が寄せられます。その中で自分の通報を優先してもらうためには、危険度を具体的にイメージさせる必要があります。単に「穴がある」と言うだけでは、「わかりました、確認します」で終わってしまう可能性があります。
- 深さと大きさ:「タイヤが半分埋まるくらいの深さ(約10cm)」「マンホールの蓋くらいの大きさ」など、身近なものに例えて伝えます。
- 交通量とリスク:「通学路で子供が自転車で通る」「トラックが通るたびにドカンと音がする」など、具体的な被害想定を伝えます。
元自治体土木担当のアドバイス
「担当者を即座に動かすためのキーワードがあります。それは『路盤(ろばん)が見えている』『空洞(くうどう)が広がっている』という表現です。単なる舗装の剥がれではなく、その下の土台部分に異常があることを示唆すると、担当者は『陥没事故直前』と判断し、最優先で対応します。また、『もしこのまま放置して事故が起きたら、市の管理責任になりますよね?』と、クレーマーにならない程度の冷静さで責任の所在を問うニュアンスを含めることも、組織を動かす強い動機付けになります」
八潮市は対応済み?「LINE通報システム」の活用メリット
口頭での説明に自信がない、あるいは電話をする時間がないという方にお勧めなのが、スマートフォンのLINEアプリを活用した通報です。八潮市では、公式LINEアカウントを通じて、道路の不具合を通報できるシステムを導入しています。
LINE通報の最大のメリットは、「写真」と「位置情報」を同時に送信できることです。電話では伝わりにくい穴の深さや形状も、写真一枚あれば一目瞭然です。また、GPS機能を使って位置情報を送信すれば、場所の説明も不要です。
利用手順は簡単です。八潮市公式LINEアカウントを友だち追加し、メニューから「道路・公園等の不具合通報」を選択します。あとはガイダンスに従って、現場の写真(遠景と近景の2枚あるとベスト)と位置情報を送信するだけです。このシステムを使えば、通勤途中の電車内や、帰宅後の自宅からでも手軽に通報ができ、役所の業務効率化にも貢献できます。ぜひ事前に友だち登録をしておくことをお勧めします。
道路の穴で車が破損!事故発生時の対応と損害賠償
もしも、発見が遅れて道路の穴にタイヤを落としてしまい、パンクやホイールの破損、あるいはバンパーの損傷などの被害に遭ってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。単なる「不運」で済ませる必要はありません。道路の管理に瑕疵(かし=欠陥)があったと認められれば、国家賠償法に基づき、道路管理者(市や県)に対して損害賠償を請求できる可能性があります。
ただし、賠償を勝ち取るためには、事故直後の適切な対応と証拠保全が不可欠です。ここでは、被害に遭った際に取るべき行動を法的な観点も交えて解説します。
まずは警察へ連絡し「事故証明」を取得する
事故が起きたら、どんなに軽微な損傷でも、必ずその場で警察(110番)へ連絡してください。「自損事故だから」と警察を呼ばずに帰ってしまうと、後になって「本当にその場所の穴が原因で壊れたのか」を証明することが極めて困難になります。
警察官に現場検証をしてもらい、事故の発生状況を公的な記録として残すことが重要です。これが後日発行される「交通事故証明書」の元となり、道路管理者との交渉において、事故の事実を証明する強力な武器となります。警察には「道路の穴にはまって車が壊れた」と明確に原因を伝えてください。
証拠保全が命!現場で撮影すべき写真リスト
警察を待つ間、あるいは警察の検証と並行して、ご自身でも証拠写真を撮影してください。スマートフォンのカメラで構いません。賠償請求の際、道路管理者は「穴があったことは認めるが、それが事故の直接原因か、あるいは運転手の不注意ではないか」という点を精査します。以下の写真を確実に撮っておきましょう。
- 穴の全景と位置関係:道路のどの位置に穴があるかがわかる写真(引きの画)。
- 穴の深さと大きさ:定規やメジャーを穴に当てて深さを測っている写真。なければタバコの箱や空き缶、硬貨などを横に置いてサイズ感がわかるようにした写真(寄りの画)。
- 車の損傷箇所:タイヤのパンク、ホイールの傷、バンパーの破損状況など。
- 現場の状況:カラーコーンや照明灯の有無。夜間であれば、周囲がどれくらい暗かったか(穴を視認するのが困難だったことの証明)。
道路管理者への賠償請求(国家賠償法)の流れ
証拠を揃えたら、道路管理者(市役所の建設管理課など)へ連絡し、「道路の管理瑕疵による事故が発生したので、賠償を請求したい」と申し出ます。国家賠償法第2条では、道路などの公の営造物の設置や管理に瑕疵があったために他人に損害を与えたときは、国や公共団体が賠償責任を負うと定めています。
ただし、すべてのケースで全額賠償されるわけではありません。「穴ができてからどれくらいの時間が経過していたか(発見可能な状態だったか)」「運転手が通常の注意を払っていれば回避できたか(過失相殺)」などが争点となります。
道路防災アドバイザーのアドバイス
「賠償交渉は長期化することがあります。重要なのは『記録』です。事故発生の日時、場所、警察への通報時刻はもちろん、役所担当者との電話や面談での会話内容もすべてメモに残してください。いつ、誰が、どのような説明をしたかという記録は、交渉がこじれた際の切り札になります。決して感情的にならず、淡々と事実と証拠を提示し続けることが、正当な補償を得るための近道です」
そもそもなぜ陥没する?道路の危険サインとリスク回避
ここまで、陥没を発見した後の対処法について解説してきましたが、そもそもなぜ道路は陥没するのでしょうか。原因を知り、前兆現象を察知できるようになれば、危険を未然に回避することができます。八潮市の地域特性も踏まえて解説します。
道路陥没の主な原因(老朽化、水道管、地下鉄工事など)
道路陥没の原因は様々ですが、大きく分けて「路面下の空洞化」と「舗装の劣化」があります。八潮市は地形的に低地が多く、地盤が軟弱なエリアも存在します。地下水位が高い場所では、下水道管の老朽化による破損部から土砂が吸い出され、地下に空洞ができるケースがあります。この空洞が大きくなり、地表の舗装を支えきれなくなった瞬間に「ズボッ」と陥没が発生します。
また、ポットホールと呼ばれる浅い穴は、アスファルトの経年劣化や、大型車両の通行による負荷、雨水の浸透によって舗装表面が剥がれることで発生します。特に雨上がりや雪解けの時期には多発する傾向があります。
運転中・歩行中に注意すべき「前兆現象」
突然の陥没に巻き込まれないためには、路面からのサインを見逃さないことが大切です。以下のような現象を見かけたら、その下には空洞が潜んでいる可能性があります。
- 亀甲状のひび割れ:アスファルトが亀の甲羅のように細かくひび割れている場所は、地盤が弱くなっている証拠です。
- 部分的な沈下:マンホールの周りだけ道路が下がっている、あるいは轍(わだち)が異常に深くなっている場所。
- 水たまり:晴れているのに路面が濡れている、あるいは雨の日にそこだけ水が引かない場所は、窪みができているサインです。
▼ 危険度別・道路の異状写真図解(イメージ解説)
| レベル1:ひび割れ | 路面に一本線や網目状のひびが入っている状態。まだ穴にはなっていませんが、将来的にポットホールになる予備軍です。注意して走行すれば問題ありません。 |
| レベル3:ポットホール | 表層のアスファルトが剥がれ、数センチ〜10センチ程度の穴が開いている状態。タイヤが落ちると「ガタン」と衝撃を受けます。二輪車にとっては転倒の危険性が高く、通報が必要です。 |
| レベル5:空洞陥没 | 路面が大きく抜け落ち、下の土が見えなくなっている深い穴。車が突っ込むと走行不能になるレベルです。極めて危険であり、即時の警察通報と通行止め措置が必要です。 |
自分の敷地内(私道)で陥没が起きたら?
最後に、公道ではなく「私道」で陥没が起きた場合について触れておきます。原則として、私道の管理は所有者(その私道を利用している住民たち)の責任となります。したがって、補修費用も自分たちで出し合って業者に依頼しなければなりません。
しかし、生活道路として一般の通行にも供されているような私道の場合、八潮市には「私道整備助成制度」などが設けられている場合があります。一定の条件(幅員や利用状況など)を満たせば、補修工事費の一部を市が助成してくれる可能性があります。私道の穴を放置すると、近隣住民の通行の妨げになるだけでなく、怪我人が出た場合の責任問題にも発展しかねません。
元自治体土木担当のアドバイス
「私道の補修で最も難しいのは、工事費用の負担割合や工事の実施について、関係する住民全員の合意を得ることです(合意形成)。誰か一人が反対して工事が進まないケースも多々あります。もし私道で陥没を見つけたら、まずは町内会や自治会に相談し、早めに合意形成のプロセスを開始することが重要です。また、市役所の道路課に相談に行けば、助成制度の有無や、過去の私道整備の経緯などを調べてくれることもありますので、まずは窓口へ足を運んでみてください」
よくある質問(FAQ)
ここでは、道路の陥没や通報に関して、市民の皆様からよく寄せられる疑問にQ&A形式でお答えします。
Q. 匿名で通報しても対応してくれますか?
A. はい、基本的には対応してくれます。「名前を名乗りたくない」と言えば、匿名での通報も受け付けてもらえます。ただし、場所の特定ができなかった場合や、状況確認のために折り返しの連絡が必要な場合に備えて、連絡先だけでも伝えておくと、より確実に対応してもらえます。もちろん、個人情報は厳重に管理されますのでご安心ください。
Q. 通報した後、いつ直ったか教えてもらえますか?
A. 残念ながら、個別の通報に対して「直しました」という完了報告の電話をくれる自治体は少ないのが現状です。件数が膨大であるためです。しかし、LINE通報システムなどを導入している場合、システム上で対応状況(受付済→対応中→完了)が確認できるケースもあります。基本的には、数日後に現地を通った際に直っているか確認することになります。
Q. 道路の穴を避けて対向車と接触しそうになりました。責任は?
A. 穴を避けるためのハンドル操作(緊急避難)であっても、対向車と接触すれば事故としての責任が発生します。道路の穴が事故の誘因であったとしても、前方不注意や安全運転義務違反を問われる可能性があります。危険な穴を見つけたら、急ハンドルで避けるのではなく、十分に減速して通過するか、安全を確認して緩やかに回避することが鉄則です。
Q. 自転車や歩行者の転倒でも賠償請求できますか?
A. はい、可能です。自動車に限らず、自転車の転倒による怪我や自転車の破損、歩行者が穴につまずいて怪我をした場合なども、道路の管理瑕疵が認められれば賠償の対象となります。この場合も、警察への届出と現場写真、病院の診断書などが証拠として必要になります。
まとめ:見つけたら即通報!あなたの行動が八潮の安全を守る
道路の陥没や穴は、放置しても自然に直ることは絶対にありません。むしろ、雨が降るたびに土砂が流出し、車両が通るたびに衝撃が加わり、穴は確実に拡大していきます。今日の「小さな穴」が、明日には「車を飲み込む巨大な陥没」に変わる可能性すらあるのです。
八潮市で道路の異状を見つけたら、以下の要点を確認し、迷わず通報してください。あなたの「一本の電話」や「LINE送信」が、誰かの命や財産を守ることにつながります。
要点チェックリスト
- [ ] 道路の種類を確認しましたか?(市道なら市役所、県道なら県土整備事務所、国道なら#9910)
- [ ] 場所を特定できる目印を見つけましたか?(電柱番号、自販機の住所、公園名など)
- [ ] 穴の大きさや深さを具体的に確認しましたか?(「タイヤがハマる深さ」「子供が落ちる大きさ」など)
- [ ] 写真撮影は行いましたか?(安全が確保できる場合のみ、遠景と近景の2枚)
- [ ] 事故発生時は警察へ連絡しましたか?(物損事故でも必ず110番で事故証明を)
元自治体土木担当のアドバイス
「行政の道路パトロールには限界があります。すべての道路を毎日チェックすることは物理的に不可能です。だからこそ、市民の皆様の『目』が、街の安全を守るための最大のセンサーなのです。『面倒だな』と思わず、ぜひその情報を役所へ届けてください。迅速な通報こそが、最も効果的な道路防災活動です」
今日から通勤や買い物の道中で、少しだけ路面に目を向けてみてください。そして危険な兆候を見つけたら、この記事で紹介した連絡先へご一報をお願いします。安全で快適な八潮市の道路環境は、行政と市民の協力によって保たれています。
コメント