「センターパートに挑戦したいけれど、自分に似合うか不安」「一度やってみたけれど、セットがうまくいかずに諦めてしまった」
サロンの現場でお客様から最も多く寄せられるのが、この「似合わせ」と「再現性」に関する悩みです。しかし、断言させてください。
センターパートは「顔型に合わせた骨格補正」と「根元の立ち上げ」さえマスターすれば、丸顔・面長・おでこの広さに関係なく誰でも似合わせることが可能です。
本記事では、月間200名以上のメンズカットを担当する現役美容師の視点から、感覚だけではない「論理的な似合わせの法則」と、明日から自宅で必ず再現できる「セットの技術」を余すところなく解説します。
この記事でわかることは以下の3点です。
- 現役美容師が教える「顔型別」似合うセンターパートの黄金比
- 初心者でも3分でキマる、ドライヤーを使った「立ち上げ」完全攻略法
- 失敗しない美容室でのオーダー方法と、崩れないスタイリング剤の選び方
読み終える頃には、あなたのコンプレックスが「武器」に変わり、自信を持ってセンターパートを楽しめるようになっているはずです。
センターパートが「大人男子」に選ばれる理由と必要な髪の長さ
ここ数年、メンズヘアのトレンドとして不動の地位を確立したセンターパート。なぜこれほどまでに多くの男性に支持され、ビジネスからカジュアルまで幅広く選ばれているのでしょうか。その理由は、単なる流行を超えた「合理的なメリット」にあります。
このセクションでは、センターパートがもたらす視覚効果と、実際に挑戦する際に最低限必要となる髪の長さや条件について、プロの視点で深掘りしていきます。これから伸ばそうと考えている方も、現在伸ばしかけの方も、まずは「目指すべきゴール」を明確にしましょう。
清潔感と色気を両立する「ひし形シルエット」の効果
センターパート最大の特徴でありメリットは、顔周りに理想的な「ひし形シルエット」を作りやすいという点にあります。ヘアスタイルにおいて「ひし形」は、バランスが良く、小顔効果が最も高いとされる黄金シルエットです。
おでこを出すことで表情が明るく見え、清潔感が生まれます。それと同時に、長めの前髪が顔のサイドにかかることで、ミステリアスな雰囲気や大人の色気を演出することができます。この「清潔感(信頼)」と「色気(魅力)」という、相反する要素を同時に叶えられる髪型は、実はそう多くありません。
マッシュヘアがおでこを隠して「可愛らしさ」や「若さ」を強調するのに対し、センターパートは縦のラインを強調するため、大人っぽく洗練された印象を与えます。特に、スーツスタイルやきれいめなファッションとの相性が抜群で、社会人男性にとって「デキる男」を演出するための強力なツールとなり得るのです。
また、骨格補正の観点からも優秀です。ハチ(頭の横の出っ張り)が張っている日本人の頭の形に対し、センターパートでトップに高さを出し、サイドをタイトに抑えることで、頭の形をきれいに見せる効果があります。
前髪はどこまで必要?鼻先〜口元が理想的な理由
「センターパートにするには、どれくらい髪を伸ばせばいいですか?」という質問は、サロンワークの中で頻繁にいただきます。結論から言うと、理想的な長さは「前髪を降ろした状態で鼻先から口元にかかるくらい」です。
なぜこの長さが必要なのか、理由は大きく分けて2つあります。
- 毛流れと落ちる位置のバランス
髪の毛は根元から立ち上がり、重力に従って落ちていきます。鼻先まで長さがあると、根元を立ち上げた際に美しい「S字カーブ」を描きながら頬骨のあたりに毛先が落ちます。この「頬骨をカバーする毛流れ」こそが、小顔効果と色気を生み出すポイントです。短すぎると、立ち上げた時に髪が浮いてしまい、サイドに馴染まず「ハの字」に広がってしまいがちです。 - アレンジの幅が広がる
口元近くまで長さがあれば、リバース(後ろ方向)に流して大人っぽくしたり、少し内側に入れてコンマヘア風にしたりと、その日の気分でスタイルを変えることができます。また、耳にかけられる長さがあることで、食事中や仕事中に髪が邪魔にならず、機能面でも優れています。
もちろん、目にかかる程度の長さ(ショートセンターパート)でも不可能ではありません。しかし、その場合は強いセット力が必要になったり、顔型によっては幼く見えたりするリスクがあります。初めて挑戦するなら、余裕を持って鼻先まで伸ばすことを強くおすすめします。
直毛・くせ毛でも大丈夫?髪質別の攻略ポイント
「直毛すぎてペタンコになる」「くせ毛で広がってしまう」といった髪質の悩みも、センターパートへの挑戦を躊躇させる要因です。しかし、プロの視点から言えば、どちらの髪質でも適切なアプローチを行えば問題なく似合わせることができます。
直毛の方の場合:
直毛の最大の課題は、毛先が真っ直ぐすぎて動きが出ないことと、トップのボリュームが出にくいことです。これを解決するには、「ニュアンスパーマ」が最も有効です。毛先にワンカールの動きをつけるだけで、スタイリングのしやすさが劇的に向上します。パーマをかけない場合は、ヘアアイロンで毛先を少し曲げる技術が必要になりますが、慣れれば3分程度で可能です。
くせ毛の方の場合:
実は、センターパートはくせ毛の方にこそ向いているスタイルでもあります。元々のうねりを活かすことで、パーマをかけたような色気のある質感が出せるからです。ただし、強すぎる癖や、湿度で広がりすぎる場合は注意が必要です。その場合は、縮毛矯正ではなく「チューニング」や「コスメストレート」といった、癖を少し和らげる程度の施術を行うと、扱いやすさが格段に上がります。
重要なのは、自分の髪質を「障害」と捉えるのではなく、「個性」としてどう活かすかを知ることです。美容師に相談する際は、「直毛だから無理」と諦めず、「この直毛をどう扱えばセンターパートになりますか?」と聞いてみてください。
現役メンズヘア専門美容師のアドバイス
「伸ばしかけの時期、いわゆる『中途半端な長さ』で挫折してしまう方が非常に多いです。前髪が目にかかって邪魔な時期を乗り越えるプロの裏技は、『分け目をこまめに変えること』と『帽子を活用すること』です。分け目を1センチずらすだけでも、根元の立ち上がりが復活し、邪魔な前髪がサイドに流れやすくなります。また、休日はキャップやバケットハットを被って、前髪を上げ癖つけるのも有効です。あと数センチの辛抱が、理想のスタイルへの近道ですよ。」
【徹底解剖】「似合わない」を「似合う」に変える顔型別・骨格補正テクニック
「あのモデルさんは似合っているのに、自分がやると何かが違う…」。そう感じる原因の9割は、顔型とシルエットの不一致にあります。センターパートは顔の露出面積が変わるため、ご自身の顔の形(骨格)を理解し、それを補正するようなフォルムを作ることが成功の鍵です。
ここでは、日本人に多い顔型タイプ別に、絶対に失敗しない「似合わせ理論」を解説します。これを読めば、自分がどの部分にボリュームを出し、どこを抑えるべきかが明確に見えてくるはずです。
なぜ「似合わない」と感じるのか?原因は「顔の余白」と「ボリューム位置」
まず、なぜ違和感が生まれるのか、そのメカニズムを理解しましょう。センターパートにすると、おでこが出るため、顔の縦の長さが強調されます。また、前髪が顔のサイドを覆うため、横幅の印象も変わります。
「似合わない」と感じる主な原因は以下の2点です。
- 縦横のバランス崩壊: 面長の人がトップを高くしすぎると顔がさらに長く見え、丸顔の人が横にボリュームを出しすぎると顔がさらに丸く見えてしまいます。
- 「余白」の強調: おでこが広い人が前髪をパカッと分けすぎると広さが目立ち、エラが張っている人がサイドをタイトにしすぎると輪郭が露わになります。
似合わせのゴールは、髪型のシルエットで顔の形を補正し、理想的な「卵型」に近づけることです。そのためには、髪の「ボリュームを出す位置」と「締める位置」を顔型ごとに調整する必要があります。
【丸顔・ベース型】縦のラインを強調し、ハチ周りをタイトに抑えるコツ
丸顔やベース型(エラ張り)の方は、顔の横幅や輪郭の丸みが気になりやすいタイプです。センターパートはこのタイプと非常に相性が良いスタイルと言えます。なぜなら、おでこを見せることで強制的に「縦のライン」を作ることができるからです。
攻略のポイント:
- トップの高さ: ドライヤーで根元をしっかりと立ち上げ、トップに高さを出します。これにより視線が上に誘導され、縦長の印象が強まります。
- サイドはタイトに: ハチ周り(頭の横)が膨らむと、顔の横幅が強調されてしまいます。サイドの髪はボリュームを抑え、ストンと落とすようなイメージでセットしましょう。
- 前髪の隙間: 前髪の分け目はきっちり分けすぎず、少し狭めに設定して、おでこの中央だけを見せるようにすると、より縦長効果が高まります。
- エラ隠し: 前髪の毛先を、気になる頬骨やエラにかかるように落とすことで、輪郭をシャープに見せる「シェーディング効果」を狙います。
このタイプの方がやってはいけないのは、前髪を外に大きくハネさせて横幅を強調することです。あくまで「縦長・ひし形」を意識したIラインに近いシルエットを目指しましょう。
【面長・逆三角形】横のボリューム(外ハネ)でひし形を作る「横長効果」
面長や逆三角形の方は、縦の長さが強調されやすく、クールで大人っぽい印象を持つ反面、冷たく見られたり、顔が長く見えすぎたりする悩みがあります。センターパートにする際は、「縦を削り、横を足す」意識が重要です。
攻略のポイント:
- トップは低めに: 丸顔とは逆に、トップのボリュームは出しすぎないようにします。根元の立ち上げは必要ですが、高さよりも「ふんわり感」を重視してください。
- 横のボリューム(外ハネ): 目の横から耳周りにかけて、髪に動きを出します。アイロンやパーマで毛先を外にハネさせたり、S字のカールを作ったりして、横幅のボリュームをプラスします。これにより、面長の縦長感が緩和され、バランスの取れたひし形になります。
- 前髪の長さ: 前髪は長めがおすすめです。頬骨より下まである髪が横に動くことで、顔の中顔面(目の下から口まで)の長さをカモフラージュできます。
▼ 詳細解説:顔型別・理想のシルエットとボリューム位置の図解
| 顔型タイプ | トップ(高さ) | サイド(横幅) | 前髪の動き | 目指すシルエット |
|---|---|---|---|---|
| 丸顔・ベース型 | しっかり出す (縦強調) |
タイトに抑える (ボリューム減) |
内巻き気味に 輪郭を隠す |
縦長のひし形 (Iライン寄り) |
| 面長・逆三角形 | 控えめにする (縦抑制) |
ボリュームを出す (横強調) |
外ハネ・ウェーブで 横に広げる |
横長のひし形 (Aライン寄り) |
【おでこの広さ別】広い人は「狭め分け」、狭い人は「アップバング」で解決
顔の輪郭だけでなく、おでこの広さもセンターパートの似合わせに大きく影響します。「おでこが広いから出したくない」「狭いから似合わない」と諦める必要はありません。
おでこが広い人:
おでこの広さは、知的で大人っぽい印象を与える武器になります。しかし、広すぎると感じる場合は、分け目を工夫します。真ん中(5:5)で分けるのではなく、「6:4」や「7:3」に近い位置で分け目を作り、広い方の前髪でおでこの角(M字部分など)を隠すようにスタイリングします。また、分け目の根元をふんわりと立ち上げることで視線を髪に向けさせ、おでこの面積から目を逸らすテクニックも有効です。
おでこが狭い人:
おでこが狭い方が前髪を重く下ろすと、顔が詰まった印象になりがちです。解決策は「アップバング気味」のセンターパートです。根元を強めに立ち上げて、生え際をしっかりと見せることで、縦の距離を錯覚させ、おでこを広く見せることができます。また、前髪の量を減らしてシースルー気味にすることで、軽さを出すのもおすすめです。
現役メンズヘア専門美容師のアドバイス
「以前、面長を気にされているお客様で、『センターパートにしたいけど、顔が長く見えるのが怖い』という方がいらっしゃいました。他店ではトップを短く切られすぎて失敗したとのこと。そこで私は、トップの長さを残しつつ、耳周りに強めのスパイラルパーマをかけました。すると、横にボリュームが出たことで縦の長さが気にならなくなり、『初めてしっくりきた!』と喜んでいただけました。似合わせのカギは、実は正面の顔ではなく、『横の髪の動き』にあることが多いのです。」
失敗しない!美容室でのセンターパートのオーダー方法
自分に似合う理論がわかったところで、次はそれを美容師に正しく伝えるステップです。「写真を見せたのに、仕上がりが全然違った…」という経験はありませんか?それは、美容師が見ているポイントと、お客様が見ているポイントにズレがあるからかもしれません。
このセクションでは、プロが唸る「失敗しないオーダーの言語化」について解説します。美容師との共通言語を持つことで、理想のスタイルへの再現率は飛躍的に高まります。
「写真を見せる」だけでは不十分?伝えるべき3つのポイント
写真を見せることは大前提として重要ですが、それだけでは不十分な場合があります。なぜなら、モデルとあなたの髪質や骨格は違うからです。写真にプラスして、以下の3点を口頭で伝えてください。
- 「普段のスタイリング頻度とスキル」
「毎日アイロンを使いますか?」「ワックスはつけますか?それともオイルだけですか?」この情報によって、美容師はカットの質感調整を変えます。セットが苦手なら、再現しやすいように重さを残したり、パーマを提案したりできます。 - 「絶対に切りたくない長さ(NGライン)」
「前髪は鼻先まで残したい」「耳にはかけられるようにしたい」など、譲れないポイントを先に伝えます。これにより「切られすぎた」という悲劇を防げます。 - 「一番カバーしたいコンプレックス」
「おでこの広さが気になる」「エラを隠したい」など、ネガティブな要素を正直に伝えることが、似合わせカットの精度を最大化します。
ニュアンスパーマは必要?朝のセットを楽にするための判断基準
センターパートのオーダー時に「パーマはどうしますか?」と聞かれることが多いと思います。迷った時の判断基準をお伝えします。
パーマをかけた方がいい人:
- 直毛で、髪がピンピンして馴染まない人
- 朝のセット時間を5分以内に短縮したい人
- アイロン操作が苦手、または面倒な人
- ボリュームが出にくい、またはペタンコになりやすい人
パーマが不要な人:
- くせ毛で、元々髪に動きがある人
- 仕事や学校の規則でパーマが禁止されている人
- 毎日アイロンを使って、日によってストレートやウェーブなどスタイルを変えたい人
最近のトレンドは、ガッツリとかけるパーマではなく、毛先に少し動きをつける程度の「ニュアンスパーマ」や、毛流れを作る「カルマパーマ」です。これらは、伸びてきても不自然になりにくく、センターパート初心者にも非常におすすめです。
カットラインは「前下がり」か「平行」か?印象の違いを解説
センターパートの印象を大きく左右するのが、サイドから見た時の「カットライン(髪の裾のライン)」です。
- 前下がり(後ろが短く、前が長い):
最もオーダーが多く、王道のスタイルです。シャープでクールな印象になり、横顔がきれいに見えます。また、顔周りに長さが残るため、輪郭カバー効果も高いのが特徴です。モードな雰囲気や、韓国風スタイルを目指すならこちらです。 - 平行(セイムレイヤー気味):
全体的に同じくらいの長さで、柔らかくナチュラルな印象になります。カジュアルな服装や、パーマスタイルとの相性が良いです。優しげな雰囲気を出したい場合はこちらがおすすめです。
ツーブロックと刈り上げの高さで清潔感をコントロールする
サイドと襟足(ネープ)の処理も重要です。センターパートはトップが長めなので、アンダー(下半分)をスッキリさせることで清潔感のバランスをとります。
ツーブロック:
サイドの膨らみを抑えるために、内側をツーブロックにすることは非常に有効です。ただし、白く見えるほど短く刈り上げすぎると、上の髪とのコントラストが強すぎて「カツラ」のように見えてしまうリスクがあります。「6mm〜9mm」程度の、地肌が透けすぎない長さでオーダーするのが、今のトレンドであり、ナチュラルに馴染むコツです。
襟足の刈り上げ:
「高めの刈り上げ」はスポーティーで爽やかな印象に、「低めの刈り上げ」または「刈り上げない(甘め)」は落ち着いた大人っぽい印象になります。絶壁をカバーしたい場合は、低めに刈り上げて後頭部に丸みを作るグラデーション刈り上げをオーダーしましょう。
▼ 保存用:失敗しないオーダーシート
| 項目 | オーダー例(自分に合わせて選択) |
|---|---|
| 前髪の長さ | 鼻先まで / 口元まで / 目にかかるくらい |
| サイドの処理 | ツーブロック(6mm・9mm) / そのまま |
| 襟足の処理 | 刈り上げ(高め・低め) / 刈り上げず残す |
| 全体のライン | 前下がり(クール) / 平行(ナチュラル) |
| 軽さ・質感 | 重め(韓国風・モード) / 軽め(動き重視) |
| 悩み相談 | ハチ張りを抑えたい / 絶壁を隠したい / おでこをカバーしたい |
【完全保存版】朝3分で再現!ドライヤーで作る「立ち上げ」の極意
美容室ではかっこよかったのに、翌朝自分でセットしたら「ただの真ん中分けのおじさん」になってしまった…。そんな経験はありませんか?
センターパートのセットにおいて、ワックスやアイロンの重要度は2割、ドライヤーでの土台作りが8割を占めます。特に重要なのが「根元の立ち上げ」です。ここさえ決まれば、一日中崩れない理想のシルエットが手に入ります。ここでは、不器用な方でも3分でできる、ドライヤーワークの完全手順を伝授します。
セットの8割はドライヤーで決まる!濡らし方とタオルの拭き加減
まず、寝癖がついたままの状態でセットを始めるのはNGです。根元の生え癖をリセットするために、必ず髪を濡らしてください。霧吹き程度ではなく、できればシャワーで頭皮からしっかりと濡らすのがベストです。
タオルドライは、水気が滴らない程度までしっかりと拭き取ります。ただし、ゴシゴシと擦りすぎるとキューティクルが傷むので、優しく揉み込むように。水分が残りすぎていると乾くのに時間がかかり、立ち上げの形状記憶が弱くなります。
STEP1:分け目を決めず、オールバックに乾かして根元を起こす
ここが最大のポイントです。最初から分け目(センター)で分けて乾かしてはいけません。これをしてしまうと、根元がペタンと潰れ、パックリ割れの原因になります。
- まず、前髪を含めた全体を、手ぐしで「オールバック(後ろ方向)」にかき上げながら乾かします。
- ドライヤーの風は「下から上」に向かって当て、根元をしっかりと起こします。
- 8割程度乾くまで、分け目は気にせず、とにかく根元を立ち上げることに集中してください。
この工程により、前髪の根元に自然なボリュームと、後ろに流れる毛流れのベースが出来上がります。
STEP2:温風と冷風を使い分け、前髪の「S字カール」を形状記憶させる
全体がある程度乾いたら、ここで初めて分け目を設定します。
- 分けたい位置(真ん中、または6:4など)で髪を分けます。
- 前髪の根元に指を入れ、少し持ち上げます。
- 持ち上げた根元に「温風」を3秒当てます。
- そのまま指を離さず、「冷風」に切り替えて5秒冷まします。
髪は「熱が冷める瞬間に形が固まる」という性質があります。この「温風→冷風」のプロセスを行うことで、スプレーを使わなくても一日中落ちてこない強力な立ち上がりが作れます。毛先の方は、指で外側に流しながら風を当て、自然なS字(ひらがなの『へ』の字のようなカーブ)を作ります。
▼ 図解:ドライヤーの風を当てる角度と冷風切り替えのタイミング
【風の角度】
× 上から下へ押さえつける(ペタンコの原因)
○ 下から上へ、根元を狙い撃ち(ボリュームアップ)
【形状記憶の法則】
温風(ON)で形を作る → 冷風(OFF)で形を固める
※冷めるまで手で形をキープするのがコツ!
STEP3:ハチ周りと襟足は「抑える」乾燥でメリハリをつける
トップと前髪は「ボリュームを出す」乾かし方でしたが、サイド(ハチ周り)と襟足は逆に「ボリュームを抑える」乾かし方をします。
- ドライヤーの風を「上から下」に向かって当てます。
- 手のひらでハチ周りを押さえつけながら、温風を当ててボリュームを潰します。
- ここでも最後に冷風を当てて、タイトな状態を固定します。
トップはふんわり、サイドはタイト。このメリハリを作ることで、誰でも簡単に理想の「ひし形シルエット」が完成します。
現役メンズヘア専門美容師のアドバイス
「自宅での再現性を高めるために、私はお客様に『猫の手』を推奨しています。前髪を立ち上げる際、指先だけでつまむのではなく、指の腹を使って頭皮を軽く擦るようにしながら、猫の手のようにふんわりと根元を持ち上げるのです。こうすると、根本に変な折れ目がつかず、美容室帰りのような自然なアーチが作れます。ぜひ鏡の前で練習してみてください。」
アイロン&スタイリング剤で仕上げるプロ級の質感作り
ドライヤーで土台ができたら、仕上げの工程です。ここでは、さらにクオリティを高めるためのアイロンワークと、髪質やなりたい印象に合わせたスタイリング剤の選び方を解説します。
ストレートアイロンを使う場合:毛先だけ「リバース(後ろ)」に流す技術
直毛の方や、より動きを出したい方はストレートアイロンを使用します。センターパートで使う技術はシンプルで、「毛先のリバース巻き」だけ覚えればOKです。
- 前髪の中間から毛束を挟みます。
- 後ろ方向(後頭部側)に向かって、手首を返しながらアイロンを滑らせます。
- 毛先が外に向かって「クルッ」と流れる形を作ります。
これを前髪と、サイドの表面の髪に数箇所行うだけで、色気のある毛流れが生まれます。注意点は、根元から挟みすぎないこと。根元はドライヤーで作った立ち上がりを潰さないように、中間〜毛先だけを操作するのがコツです。
ワックス・バーム・オイルの違いと、なりたい印象別の選び方
スタイリング剤は、種類によって仕上がりの質感が全く異なります。自分の目指すスタイルに合わせて選びましょう。
▼ 髪質×仕上がり別おすすめスタイリング剤マトリクス
| 種類 | 特徴・質感 | おすすめな人・スタイル |
|---|---|---|
| ヘアバーム | 自然なツヤとまとまり。 セット力は弱め〜中。 |
現在の主流。 ナチュラル、韓国風、マッシュベース。 髪のパサつきを抑えたい人。 |
| ソフトワックス (クリーム・ファイバー) |
程よい動きとキープ力。 ふんわりした質感。 |
パーマ風の動きを出したい人。 軟毛でボリュームを出したい人。 カジュアルな印象にしたい時。 |
| ヘアオイル | 強いツヤと濡れ感。 セット力はほぼ無し。 |
サラサラのまま仕上げたい人。 色気のある「濡れ髪」を作りたい人。 パーマスタイルの仕上げに。 |
| グリース・ジェル | 強力なツヤとセット力。 カチッと固まる。 |
ビジネスシーン、フォーマル。 硬毛・多毛を抑えたい人。 クラシカルな雰囲気に。 |
現在のトレンドは「ヘアバーム」です。ワックスほどベタつかず、オイルほど重くない、絶妙な「素髪感」と「まとまり」が出せるため、センターパートとの相性が抜群です。
付けムラを防ぐ!スタイリング剤を馴染ませる正しい「手つき」と順番
スタイリング剤を手に取ったら、まず手のひら全体、指の間まで透明になるまでしっかりと伸ばします。これを行わないと、一箇所にボテッとついてしまい、ベタつきの原因になります。
付ける順番:
- 後ろ髪(バック): 一番毛量が多い部分から付けます。下から上に揉み込むように。
- サイド(横): 手に残った剤で、内側から手ぐしを通します。ハチ周りは抑えるように撫で付けます。
- 前髪: 一番最後、手に残ったごく少量を付けます。前髪に最初から付けると、重みで割れたりペタンコになったりして失敗します。毛先をつまんで束感を作る程度で十分です。
最後にスプレーは必須?一日中崩さないためのキープ術
センターパートは前髪が顔にかかるスタイルなので、動いたり風が吹いたりすると崩れやすいのが難点です。そのため、ハードスプレーの使用はほぼ必須と考えてください。
全体にふりかけるのではなく、キープしたいポイントを狙います。
- 前髪の立ち上がりの根元
- 分け目の部分
- サイドの外ハネ部分
指で形を整えた状態で、20cmほど離して「シュッ、シュッ」と少しずつ吹きかけます。これで、風が吹いても手ぐしで元通りになる、無敵のセンターパートが完成します。
厳選!トレンドを押さえたセンターパートスタイル実例集
センターパートと一口に言っても、そのバリエーションは豊富です。ここでは、現在サロンでオーダーの多い、トレンドを押さえた4つのスタイルを厳選して紹介します。自分のファッションやライフスタイルに合うものを探してみてください。
【韓国風】コンマヘア・カルマヘアでトレンド感を演出
現在のブームの火付け役となったスタイルです。前髪の毛先が内側に入り込み、記号のコンマ(,)のような形になるのが「コンマヘア」。分け目がパックリ割れず、自然に立ち上がって流れるのが「カルマヘア(カルマは韓国語で分け目の意)」です。重めのカットラインとツヤのある質感が特徴で、中性的な色気を出したい方におすすめです。
【ビジネス】おでこ出し×黒髪で信頼感アップの爽やかスタイル
社会人に最適な、清潔感重視のスタイルです。耳周りと襟足は短めに刈り上げてスッキリさせ、前髪はおでこをしっかりと見せるようにアップバング気味にセットします。黒髪との相性が良く、誠実で仕事ができる印象を与えます。スタイリング剤はグリースやジェルを使い、少しツヤを出してタイトに仕上げるのがポイントです。
【ナチュラル】パーマなしでも決まる、洗練された大人スタイル
作り込みすぎない、脱力感のあるスタイルです。アイロンやパーマを使わず、ドライヤーだけで毛流れを作ります。スタイリング剤もバームやオイルをごく少量つけるのみ。休日のラフなファッションや、ノームコアなスタイルにマッチします。髪本来の美しさが際立つため、日頃のヘアケアが重要になります。
【色気重視】長め前髪×スパイラルパーマでアンニュイな雰囲気
鼻先〜口元まである長めの前髪に、波打つようなスパイラルパーマをかけたスタイルです。無造作な動きと、顔にかかる気だるげな前髪が、大人の色気を最大限に引き出します。面長の方や、顔の余白を埋めたい方に特におすすめです。セットはムースを揉み込むだけで完了するので、実は朝が一番楽なスタイルでもあります。
よくある失敗とトラブルシューティング
実際に生活していると、予期せぬトラブルに見舞われることもあります。ここでは、よくある失敗例とその解決策をまとめました。
時間が経つとトップがペタンコになってしまう時の応急処置
夕方になるとトップが潰れてくる原因は、皮脂や湿気、またはスタイリング剤の付けすぎです。
対処法: トイレなどで、手を水で少し濡らし、トップの根元をゴシゴシと擦ります(地肌を洗うようなイメージ)。その後、指で髪をつまんで持ち上げながら自然乾燥させると、水分が蒸発する際に再び立ち上がりが復活します。パウダー系のスタイリング剤を持ち歩くのも有効です。
前髪がパックリ割れてしまう「生え際」の修正方法
風で前髪が乱れて、生え際からパックリと割れてしまう場合。
対処法: 分け目をジグザグに取り直してください。コームの柄や指先を使って、分け目のラインを稲妻のようにジグザグに崩します。これだけで、パックリ割れが解消され、根元のボリュームも復活します。
片方だけ外にハネてしまう時のアイロン修正テクニック
つむじの生え方の影響で、片方はきれいに流れるのに、もう片方だけ外にピンとハネてしまうことがあります。
対処法: ハネてしまう側は、アイロンを「縦」に入れてください。そして、後ろに流すのではなく、一度「内巻き」に入れるように操作します。髪は冷めると少し戻る性質があるため、強めに内巻きにしておくことで、結果的にちょうど良い後ろ流しになります。
現役メンズヘア専門美容師のアドバイス
「外出先でセットが崩れた時、絶対にやってはいけないのが『スタイリング剤を上から付け足すこと』です。重みで余計に崩れます。水を使わないリセット術としておすすめなのが、『ハンドクリーム』です。乾燥して広がった毛先に、ほんの少量のハンドクリームを馴染ませると、まとまりが復活し、静電気も抑えられます。手も洗わなくて済むので一石二鳥ですよ。」
センターパートに関するFAQ
最後に、お客様からよく聞かれる素朴な疑問に、一問一答形式でお答えします。
Q. センターパートは女子ウケが良いですか?
A. 非常に良い傾向にあります。
もちろん好みはありますが、現在のトレンドであり、「清潔感」「大人っぽさ」「おしゃれに気を使っている感」が伝わりやすいため、多くの女性から好印象を持たれます。ただし、手入れされていないボサボサのセンターパートは逆効果なので、清潔感(髪のツヤ、肌のきれいさ)は必須条件です。
Q. 毎日センターパートだとハゲやすくなりますか?
A. 毎日「同じ分け目」だと、そのリスクはあります。
常に同じ場所に紫外線が当たり、同じ方向に牽引力がかかるため、分け目の密度が薄くなる可能性があります。数ミリでいいので、日によって分け目をずらしたり、休日は前髪を下ろしたりして、頭皮への負担を分散させることをおすすめします。
Q. メガネをかけても似合いますか?
A. 相性抜群です。
センターパートの知的な印象と、メガネの相性は非常に良いです。ポイントは、サイドの髪を耳にかけるか、ツーブロックにしてスッキリさせること。メガネのテンプル(つる)でサイドが膨らまないように調整すれば、より洗練された印象になります。
Q. 美容室に行く頻度はどれくらいが理想ですか?
A. 1ヶ月〜1.5ヶ月が目安です。
センターパートは前髪が長いので持ちが良いと思われがちですが、サイドや襟足が伸びてくるとシルエット(ひし形)が崩れ、野暮ったくなります。また、毛量が増えると立ち上がりが悪くなるため、定期的な毛量調整(メンテナンスカット)が必要です。
まとめ:自分に似合うセンターパートを見つけて、新しい自分に出会おう
ここまで、顔型別の似合わせ理論から、具体的なセット方法までを解説してきました。センターパートは、選ばれた人だけの髪型ではありません。「自分の骨格を知り、正しい位置にボリュームを作る」というロジックさえあれば、誰でも必ず似合わせることができます。
最初はドライヤーの立ち上げや、アイロンの操作に戸惑うかもしれません。しかし、これらは自転車と同じで、一度感覚を掴めば一生使える技術になります。
最後に、明日からのセットが変わる重要ポイントをチェックリストにまとめました。
- お風呂上がりは「オールバック」に乾かして、分け目の癖を消す
- ドライヤーは「下から上」への温風→冷風で、根元を形状記憶させる
- 丸顔は「縦」、面長は「横」のボリュームを意識してシルエットを作る
- スタイリング剤は、全体に馴染ませてから、最後に前髪の毛先だけにつける
- スプレーは根元と分け目にピンポイントで吹きかける
髪型が変われば、気分が変わり、行動が変わります。おでこを出して自信に満ちた表情で、新しい自分に出会ってください。まずは今夜のドライヤーから、意識を変えてみましょう。
現役メンズヘア専門美容師のアドバイス
「もし、まだ勇気が出ないなら、まずは休日に自宅で『分け目を変えてみる』ことから始めてみてください。鏡の前で、いつもの分け目を少しずらし、おでこを出してみる。それだけでも、自分の新しい表情に気づくはずです。その小さな一歩が、あなたの魅力を大きく広げるきっかけになりますよ。」
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