2024年、韓国ドラマ界に新たな金字塔が打ち立てられました。tvNドラマ歴代視聴率1位を記録し、世界中の視聴者を熱狂の渦に巻き込んだ傑作、『涙の女王』です。
「結婚から始まる奇跡の愛」を描いた本作は、単なるラブコメディの枠を超え、家族の再生、生と死、そして記憶と愛の根源的な問いを投げかける壮大なヒューマンドラマとなりました。主演のキム・スヒョンとキム・ジウォンが織りなす圧倒的なケミストリー(相性)は、あの『愛の不時着』をも凌駕すると評されています。
この記事では、年間100作品以上の韓国ドラマを視聴し続ける韓流コンテンツ専門ライターである筆者が、全キャストの詳細なプロフィールと経歴から、視聴者を騒然とさせた最終回の「2074年」という墓石の日付の意味、そして劇中に散りばめられた『愛の不時着』オマージュ等の緻密な伏線までを徹底的に解説します。
まだ視聴していない方は作品の予習として、既に完走した方は「涙の女王ロス」を癒やすための完全ガイドとして、本作の魅力を余すところなく解剖していきます。
『涙の女王』とは?歴代視聴率1位を記録した「奇跡」の物語
まずは、『涙の女王』がいかにして韓国ドラマの歴史を塗り替えたのか、その基本データと社会的評価について整理しましょう。本作は、財閥3世の「デパートの女王」と、田舎出身の「スーパーの王子」という、一見不釣り合いな夫婦が、離婚寸前の危機を乗り越えて再び愛を取り戻すまでの過程を描いています。
しかし、単なる復縁ストーリーではありません。余命宣告、財閥の乗っ取り、記憶喪失といった韓国ドラマの王道要素(マクチャン要素)を、洗練された演出と脚本で「高品位な人間ドラマ」へと昇華させている点が最大の特徴です。
| 『涙の女王』作品基本データ | |
|---|---|
| 原題 | 눈물의 여왕 (Queen of Tears) |
| 放送局 | tvN(韓国)、Netflix(世界配信) |
| 放送期間 | 2024年3月9日〜4月28日 |
| 話数 | 全16話 + スペシャルエピソード |
| 脚本家 | パク・ジウン(『愛の不時着』『星から来たあなた』) |
| 演出家 | チャン・ヨンウ、キム・ヒウォン(『ヴィンチェンツォ』) |
| 最高視聴率 | 24.9%(ニールセンコリア調べ・全国基準) |
『愛の不時着』脚本家パク・ジウンが描く、結婚から始まる愛の物語
本作の脚本を手掛けたのは、ヒットメーカーとして知られるパク・ジウン作家です。彼女の過去作である『星から来たあなた』や『青い海の伝説』、そして世界的大ヒットとなった『愛の不時着』に共通するのは、「ありえない設定の中で育まれる、運命的な愛」です。
『涙の女王』においても、「世紀の結婚」と騒がれた二人が「世紀の戦争」のような離婚危機に陥るという設定からスタートします。通常、ラブコメディは「結婚してハッピーエンド」で終わることが多いですが、本作は「結婚した後、愛が冷めきった状態」から物語が始まります。この逆転の発想こそが、現代の視聴者のリアリティに刺さり、共感を呼んだ大きな要因です。
パク・ジウン作家特有の、シリアスな展開の中に絶妙なタイミングで差し込まれるコメディ要素、そして心に刺さる名台詞の数々は本作でも健在であり、視聴者を「笑って泣ける」感情のジェットコースターへと誘います。
tvNドラマ歴代視聴率1位を更新!数字で見る『涙の女王』の凄さ
『涙の女王』の凄まじさは、数字を見れば一目瞭然です。放送開始当初は5.9%という滑り出しでしたが、回を追うごとに口コミで評判が広がり、最終回(第16話)では驚異の24.9%を記録しました。
これは、長らく不動の1位であった『愛の不時着』の記録(21.7%)を塗り替え、tvNドラマ歴代1位という快挙です。地上波ではないケーブルテレビ局で20%を超えることは「奇跡」に近いと言われており、本作がいかに幅広い層に支持されたかがわかります。
▼ クリックして見る:tvN歴代ドラマ視聴率ランキングTOP5
| 順位 | 作品名 | 最高視聴率 | 放送年 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 涙の女王 | 24.9% | 2024 |
| 2位 | 愛の不時着 | 21.7% | 2020 |
| 3位 | トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜 | 20.5% | 2017 |
| 4位 | 恋のスケッチ〜応答せよ1988〜 | 18.8% | 2016 |
| 5位 | ミスター・サンシャイン | 18.1% | 2018 |
あらすじ概要:財閥3世の妻と田舎出身の夫、離婚寸前の夫婦に訪れた危機
物語の主人公ペク・ヒョヌは、ソウル大学法学部出身の弁護士で、田舎の村「ヨンドゥリ」の誇りです。彼はクイーンズグループの常務取締役であるホン・ヘインと恋に落ち、周囲の反対を押し切って結婚します。しかし、結婚生活3年目にして、ヒョヌは妻の冷徹な態度と、妻の実家である財閥家の理不尽な扱いに疲れ果てていました。
離婚を決意したヒョヌが別れを切り出そうとしたその瞬間、ヘインから衝撃の事実を告げられます。「私、死ぬの。余命3ヶ月だって」。
この告白により、ヒョヌの計画は大きく狂い始めます。当初は遺産目当てや解放感から妻を気遣うふりをしていたヒョヌでしたが、死と向き合うヘインの孤独や弱さを知るにつれ、かつて彼女を愛していた記憶が蘇り、本気で彼女を守ろうと奔走し始めます。一方、クイーンズグループには謎の投資家ユン・ウンソンが接近し、会社乗っ取りの陰謀が静かに進行していました。
韓流コンテンツ専門ライターのアドバイス
「パク・ジウン作家の作品(『星から来たあなた』『愛の不時着』)に共通するのは、ヒロインを命がけで守る、能力値の高い男性主人公です。今回のペク・ヒョヌも、弁護士としての知性、ボクシングで鍛えた腕っぷしの強さ、そして何より『泣き顔』の母性本能をくすぐる魅力が、視聴者を沼らせた最大の要因と言えるでしょう。特にヒョヌが酔っ払って『僕は酔うとかわいいから、家に帰らせて』と嘆く第1話のシーンは、彼のキャラクターを決定づける名場面です」
【画像付き】涙の女王 キャスト・登場人物相関図を徹底解剖
『涙の女王』がこれほどまでに成功した理由は、主演二人のスター性だけではありません。脇を固める個性豊かな助演陣、そして物語に深みを与えるベテラン俳優たちの演技合戦が見どころの一つです。ここでは、主要キャストの詳細なプロフィールと、劇中での役割を深掘りします。
(※ここに日本語版・独自作成の人物相関図が入るイメージです:クイーンズグループ、ヨンドゥリ家、ヴィラン勢力を色分けして図解)
主演カップル(ペク・ヒョヌ&ホン・ヘイン)
キム・スヒョン(ペク・ヒョヌ役)
クイーンズグループ法務取締役。ヨンドゥリ里長の息子。
『星から来たあなた』『サイコだけど大丈夫』などで知られる、韓国トップクラスの俳優キム・スヒョンが、3年ぶりのドラマ復帰作として選んだのが本作です。知的でクールな弁護士としての顔と、妻の尻に敷かれる情けない夫としての顔、そして愛する人を失う恐怖に震える迫真の演技まで、彼の持つ「演技の引き出し」が全開放されています。特に、涙を流すシーンでの感情表現は圧巻で、「涙の女王」ならぬ「涙の王子」と称賛されました。
キム・ジウォン(ホン・ヘイン役)
クイーンズ百貨店社長。財閥3世。
『太陽の末裔』『私の解放日誌』などで確かな演技力を見せてきたキム・ジウォンが、傲慢で高飛車な財閥令嬢を演じました。しかし、彼女の演技の真骨頂は、強気な態度の裏に隠された「死への恐怖」や「夫への不器用な愛」を繊細な目の動きで表現した点にあります。華やかなハイブランドファッションを着こなすビジュアルも話題となり、毎話の衣装がSNSでトレンド入りしました。
クイーンズグループ(ホン家)の人々
パク・ソンフン(ユン・ウンソン役)
M&A専門家。ヘインの大学同期。
『ザ・グローリー』での悪役も記憶に新しいパク・ソンフンが、本作でも強烈なヴィラン(悪役)を演じました。ヘインへの執着愛と、クイーンズグループへの復讐心に燃える狂気的な演技は、視聴者を震え上がらせました。しかし、素顔の彼は非常に穏やかな性格で知られており、そのギャップもまた魅力です。
クァク・ドンヨン(ホン・スチョル役)
ヘインの弟。クイーンズマート代表。
姉のヘインを恐れる気弱な弟ですが、妻と息子を深く愛する純粋な心の持ち主です。物語後半、家族を守るために自転車で敵に立ち向かうシーンや、ボクシングを習得して成長していく姿は、多くの視聴者の涙を誘いました。コミカルな演技からシリアスな父親の顔への変化は見事でした。
イ・ジュビン(チョン・ダヘ役)
スチョルの妻。
清楚で従順な妻を演じていましたが、実は裏の顔を持つミステリアスな人物。彼女の正体が明かされてからのスチョルとの関係性の変化は、本作のサブカップルとしての大きな見どころです。
ヨンドゥリ(ペク家)の人々
チョン・ベス(ペク・ドゥグァン役)
ヒョヌの父。ヨンドゥリ里長。
息子の結婚を村の誇りとしていましたが、財閥家との格差に悩みつつも、常に息子を信じて支える温かい父親です。没落したクイーンズ一家を実家に受け入れる度量の広さを見せます。
ファン・ヨンヒ(チョン・ボンエ役)
ヒョヌの母。スーパー運営。
嫁であるヘインを実の娘のように気遣い、食事を世話し、精神的な支柱となる「理想の姑」です。彼女の作る温かい家庭料理が、冷え切ったヘインの心を溶かすきっかけとなります。
物語を動かす重要人物・ヴィラン
イ・ミスク(モ・スリ役)
ホン・マンデ会長の同居人。
30年間、会長に尽くすふりをして虎視眈々と乗っ取りを計画していた稀代の悪女。彼女の恐ろしさは、暴力ではなく「信頼」を利用して内部から崩壊させる点にあります。韓国ドラマ史に残る執念深い悪役として強烈なインパクトを残しました。
キム・カプス(ホン・マンデ会長役)
クイーンズグループ会長。ヘインの祖父。
絶対的な権力者として家族にも冷酷に振る舞ってきましたが、最後は最も信頼していたモ・スリに裏切られ、悲劇的な末路を辿ります。権力の儚さと孤独を体現したキャラクターです。
韓流コンテンツ専門ライターのアドバイス
「実はホン・スチョル役のクァク・ドンヨンや、チョン・ダヘ役のイ・ジュビンは、元々歌手練習生やアイドル出身という経歴を持っています。彼らの安定した発声と表現力は、長年のトレーニングの賜物。特にクァク・ドンヨンのコミカルとシリアスを行き来する演技の振り幅には注目です。また、ヨンドゥリの家族たちが繰り広げる温かいやり取りは、脚本家が意図した『家族の再生』というテーマを象徴する重要なパートですので、見逃さないでください」
▼ 詳細:カメオ出演(特別出演)キャスト一覧
- ソン・ジュンギ(ヴィンチェンツォ役): 第8話。ヘインの離婚弁護士として登場。「マフィアのコンシリエーレだ」「以前は宇宙船の操縦士だった」「オオカミ少年だったこともある」と、ソン・ジュンギの過去作(『ヴィンチェンツォ』『スペース・スウィーパーズ』『私のオオカミ少年』『太陽の末裔』)をネタにしたセリフが話題になりました。
- オ・ジョンセ(精神科医役): 第1話。ヒョヌが通う精神科の医師として登場。『サイコだけど大丈夫』でキム・スヒョンの自閉スペクトラム症の兄役を演じた縁での出演で、二人の再会にファンは歓喜しました。
- コ・ギュピル(ヒョヌの部下役): 『愛の不時着』や『熱血司祭』でのコミカルな演技で知られる名バイプレイヤー。本作でもヒョヌを見守る部下として登場。
- イム・チョルス(ヒョヌの部下役): コ・ギュピルと共に『愛の不時着』で保険担当者役を演じた俳優。今回もヒョヌの尾行を担当するなど、良い味を出しています。
- セバスチャン・ロッシェ(ドイツの医師役): フランス出身のハリウッド俳優。ヘインの主治医として重厚な演技を披露しました。
- ホン・ジンギョン(探偵役): 『星から来たあなた』でチョン・ジヒョンの友人役を演じた縁で、ヒョヌの身辺調査をする探偵として出演。
【ネタバレあり】結末はどうなる?最終回までのあらすじと重要シーン考察
ここからは、物語の核心に迫るネタバレを含みます。ペク・ヒョヌとホン・ヘインの愛の行方、そしてクイーンズグループを巡る争いがどのような結末を迎えたのか、時系列に沿って詳しく解説します。
序盤(1話〜6話):冷め切った夫婦関係と余命宣告、ドイツでの再会
結婚3年目、ヒョヌは離婚を決意しますが、ヘインの「余命3ヶ月」という告白により踏みとどまります。病気の一種である「クラウド細胞腫」により、時折記憶が飛んだり幻覚を見たりするヘイン。ヒョヌは彼女を心配するうちに、再び愛を感じ始めます。治療法を探すためドイツへ渡ったヘインを追いかけ、ヒョヌがサンスーシ宮殿で彼女を見つけるシーンは、二人の心が再び通じ合う前半のクライマックスです。しかし、ヒョヌが作成していた「離婚合意書」がヴィランたちの策略によってヘインの目に触れてしまい、関係は最悪の事態に陥ります。
中盤(7話〜12話):クイーンズ没落、ヨンドゥリでの同居生活、深まる家族の絆
モ・スリとユン・ウンソンの計画により、クイーンズ一家は経営権を奪われ、路頭に迷います。行くあてのない財閥一家が身を寄せたのは、なんとヒョヌの実家がある田舎町「ヨンドゥリ」でした。プライドの高いホン家の人々が、田舎の生活に馴染んでいく様子はコミカルでありながら、失っていた「家族の温かさ」を取り戻していく過程でもあります。ヒョヌは法的な手段で反撃を開始し、ヘインと共にウンソンに対抗します。この逆境の中で、二人の絆はより強固なものとなっていきます。
終盤(13話〜15話):手術による記憶喪失の危機、ウンソンの暴走、交通事故
ドイツで新たな治療法が見つかりますが、副作用として「全て記憶を失う」という残酷な条件が提示されます。ヘインは「自分自身を失うくらいなら死ぬ」と手術を拒否しますが、ヒョヌの必死の説得により手術を受けることを決意します。手術中、ウンソンの罠によりヒョヌは逮捕され、目覚めたヘインのそばにはウンソンがいました。ウンソンは記憶を失ったヘインに嘘を吹き込み、ヒョヌをストーカー扱いさせます。しかし、愛の記憶は脳ではなく心に残っていました。ヘインは次第に違和感を抱き、ヒョヌとの再会を果たしますが、ウンソンの狂気は頂点に達し、二人を車で撥ねようと暴走。ヒョヌはヘインをかばって重傷を負い、ウンソンは警察に射殺されます。
最終回(16話):奇跡の回復と2回目の結婚式、そして2074年のラストシーン
一命を取り留めたヒョヌと、記憶を取り戻しつつあるヘイン。二人は数々の困難を乗り越え、改めてお互いへの愛を誓い合います。そして物語は、二人の幸せな日々をダイジェストで描きます。子供を授かり、共に歳を重ねていく姿。
ラストシーンでは、白髪の老人となったヒョヌが、ある墓石の前に立ちます。そこにはヘインの写真と「1990.08.22 – 2074.04.07」という日付が刻まれていました。その後、若き日の姿に戻ったヘインが天使のように現れ、ヒョヌを迎えに来て、二人は手を取り合って天国へと歩いていきます。
韓流コンテンツ専門ライターのアドバイス
「最終回のラストシーン、老人となったヒョヌがヘインの墓を訪れるシーンに衝撃を受けた方も多いでしょう。墓石の日付『2074年』は、ヘインが余命宣告を乗り越え、ヒョヌと共に天寿を全うしたこと(さらに50年生きたこと)を示唆しています。これは、単なるハッピーエンド以上の、二人が誓った『死ぬまで一緒』という約束が果たされたことを意味する、最も美しいエンディングと言えます。ドイツのラベンダー畑で再会する演出は、二人の魂が永遠に結ばれたことを象徴しており、視聴者に深い余韻を残しました」
気づいた?『涙の女王』に隠された伏線・オマージュ・小ネタ集
『涙の女王』は、ストーリーの面白さだけでなく、韓流ドラマファンなら思わずニヤリとしてしまう小ネタやオマージュが満載です。ここでは、気づくと誰かに話したくなる伏線や演出の秘密を紹介します。
『愛の不時着』ファン歓喜!数々のオマージュ演出
同じ脚本家ということもあり、『愛の不時着』へのオマージュが随所に見られます。
- 結婚式の演出: 第1話の冒頭で描かれるヒョヌとヘインの結婚式。このセットや衣装の雰囲気は、ヒョンビンとソン・イェジンの実際の結婚式を彷彿とさせると話題になりました。
- 「北から来た」発言: カメオ出演したキム・ナムジュ(キム・スンウの妻)や、劇中のセリフで「北から来た人みたいだ」というジョークが登場したり、パラグライダーに関する言及があったりと、ファンサービスが旺盛です。
タイトル『涙の女王』の真の意味とは?
当初、タイトルは「デパートの女王」であるヘインを指していると思われていました。しかし、物語が進むにつれて、その意味は変化していきます。病に侵されながらも気丈に振る舞い、隠れて涙を流すヘイン。そして、そんな彼女を想って誰よりも多くの涙を流すヒョヌ(ある意味で彼こそが「涙の女王」の相手役)。最終的には、このドラマを見て感動の涙を流した視聴者全員を含めたタイトルだったのかもしれません。
エピローグに隠されたメッセージ
本作の特徴として、毎話の本編終了後に流れる「エピローグ」があります。ここでは、本編では描かれなかったヒョヌの隠れた愛情や、過去の二人のすれ違いの真相が明かされます。
- MP3プレイヤーの持ち主: 学生時代、ヒョヌが落としたMP3プレイヤーをヘインが拾っていたエピソード。二人の縁が結婚前から始まっていたことを示す重要な伏線でした。
- 酔っ払ったヒョヌの独り言: ヘインがいない場所でも、常に彼女の健康を気遣い、愛を呟いていたことがエピローグで判明し、ヒョヌの株が爆上がりしました。
ウンソンの歪んだ愛と「孤児」という対比
ヒョヌとウンソンは、共に能力のある男性ですが、決定的な違いは「愛されて育ったか」という点にあります。大家族の中で愛を一身に受けて育ったヒョヌは、愛を与える方法を知っていました。一方、親に捨てられ、愛を知らずに育ったウンソンは、執着と支配でしか愛を表現できませんでした。この対比構造が、物語のテーマである「家族」の重要性をより際立たせています。
韓流コンテンツ専門ライターのアドバイス
「筆者が膝を打った『細かい演出』ベスト3を紹介します。
1. 写真の変化: ヒョヌの部屋にある『独身時代の写真』が、物語が進むにつれて徐々にヘインとのツーショット写真に変わっていく演出。心の距離が縮まっていることを視覚的に表現しています。
2. 色彩の変化: ヘインの病状が悪化し幻覚を見るシーンでは、画面の彩度が落ちたり、光が滲んだりするカメラワークが使われ、彼女の不安な心理状態を表現しています。
3. 言葉の温度差: ヨンドゥリの家族が使う方言の温かさと、ソウルの財閥家の冷たい敬語や棘のある言葉遣いの対比。言葉一つにも、脚本家のこだわりが詰まっています」
ロケ地・衣装・OST情報で『涙の女王』の世界に浸る
ドラマの余韻に浸るために欠かせないのが、美しい映像を彩ったロケ地、ファッション、そして音楽です。
幻想的なドイツロケ地:サンスーシ宮殿、ベルリン大聖堂
物語の重要な転換点となったドイツロケ。特に、二人が涙の再会を果たした階段のある場所は、ポツダムにあるサンスーシ宮殿です。「サンスーシ(Sans Souci)」とはフランス語で「憂いなし」を意味し、ヘインが病の苦しみから解放されたいと願う気持ちとリンクしています。また、ヒョヌが祈りを捧げたベルリン大聖堂や、デートをしたアイゼルナー橋など、観光名所が美しく切り取られています。
ホン・ヘインの財閥令嬢ファッション
キム・ジウォンが着用した衣装は、「オールドマネー・ルック(代々続く富裕層のファッション)」の教科書として注目されました。Chanel(シャネル)、Dior(ディオール)、Alexander McQueen(アレキサンダー・マックイーン)などのハイブランドのジャケットやセットアップを着用し、派手すぎず、かつ品格のあるスタイルを確立しています。特に、彼女が身につけるジュエリー(DamianiやBulgari)は、放送直後に問い合わせが殺到するほどの人気となりました。
涙を誘うOST(劇中歌)
ドラマの感動を倍増させたのが、豪華アーティストによるOSTです。
- Crush – 『Love You With All My Heart』: 劇中で最も盛り上がるシーンで流れるバラード。切ない歌詞が二人の心情を代弁しています。
- Heize – 『Hold Me Back』: エンディングでよく流れる、独特の歌声が印象的な曲。
- キム・スヒョン – 『Way Home(求婚)』: 最終回でサプライズ公開された、キム・スヒョン本人が歌う楽曲。
韓流コンテンツ専門ライターのアドバイス
「最終回近くで流れた『Way Home(求婚)』は、キム・スヒョン自身が『星から来たあなた』以来、約10年ぶりにドラマOSTに参加した楽曲です。彼の優しく包み込むような歌声は、ヒョヌのヘインに対する深い愛情そのもの。歌詞には『家へ帰ろう』というフレーズがあり、紆余曲折を経てようやく安らげる場所(お互いの隣)へ戻れた二人の心情が込められています。歌詞の和訳を見ながら聴き直すと、また違った感動が味わえます」
『涙の女王』に関するよくある質問 (FAQ)
最後に、これから視聴する方や、見終わった方が疑問に持ちやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
Q. 『涙の女王』は全何話ですか?Netflix以外で見れますか?
本編は全16話です。さらに、キャストが撮影秘話を語るスペシャルエピソードが2話放送されました(韓国tvNにて)。日本国内での配信は、現在Netflix独占配信となっており、Amazon Prime VideoやU-NEXTなど他のプラットフォームでは視聴できません。
Q. 原作はウェブトゥーン(漫画)ですか?
いいえ、原作はありません。パク・ジウン作家による完全オリジナル脚本です。ウェブトゥーン原作が多い昨今の韓国ドラマ界において、オリジナル脚本でこれだけの大ヒットを記録したことは高く評価されています。
Q. 続編やシーズン2の可能性はありますか?
現時点で、シーズン2の制作予定は発表されていません。物語がきれいに完結しており、主人公たちの生涯(2074年まで)が描かれているため、続編が作られる可能性は低いと考えられます。
Q. ホン・ヘインの病気「クラウド細胞腫」は実在しますか?
劇中に登場する「クラウド細胞腫」という病名は架空のものです。脳腫瘍の一種である「膠芽腫(こうがしゅ)」などをモデルにしていると思われますが、記憶が霧(クラウド)のようにぼやけていく症状をドラマチックに表現するために作られた設定です。
まとめ:『涙の女王』は何度見ても発見がある人生ドラマ
『涙の女王』は、キム・スヒョンとキム・ジウォンという最高のキャスト、パク・ジウン作家の緻密な脚本、そして美しい演出が三位一体となった、間違いなく2024年を代表する傑作です。笑って、泣いて、最後には温かい気持ちになれるこのドラマは、私たちに「当たり前の日常の大切さ」と「愛する人と共に生きる喜び」を教えてくれました。
一度見終わった方も、ぜひ二周目を視聴してみてください。最初は気づかなかった伏線や、ヒョヌの視線の意味、エピローグの深さに気づき、初回とは違った感動に出会えるはずです。
『涙の女王』視聴後のチェックリスト
- [ ] エピローグを第1話から見直して、ヒョヌがいつからヘインを愛し直していたか確認する
- [ ] カメオ出演シーン(ソン・ジュンギ等)を再チェックして、小ネタを楽しむ
- [ ] OSTの歌詞和訳を読んで、特定のシーンでその曲が流れた意味を考察する
- [ ] キム・スヒョンの過去作(『星から来たあなた』『サイコだけど大丈夫』)や、キム・ジウォンの過去作(『私の解放日誌』)を視聴リストに入れて、彼らの演技の幅広さを堪能する
ぜひ今日から、ドラマで描かれたように、大切な人に少しだけ優しく接することを意識してみてください。それが、この作品が私たちに残してくれた最大のメッセージかもしれません。
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